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――そういえば、さっきだって。
普通、課長が倉庫に用事があることは、まずない。
もしかして、青生がなかなか席に戻ってこないことに気づいて、探しにきてくれたのではないだろうか。
「……あっ!?」
体がなじんできたので、青生がゆっくりと腰を動かし始めると、紫藤がびくっと体を震わせた。
「……あ、……あっ、あっ、あっ」
動きに合わせて、紫藤の口から喘ぎがもれる。
その声が色っぽく響いて、どきりとする。
しかし紫藤は必死に唇を噛み締め、その声を殺してしまった。
もっと、聞きたい。
課長の感じている顔を、もっと見たい。
そんな、アルファ相手に思ったこともないようなことが、頭を埋めていく。
青生は紫藤の胸に手を這わせ、ワイシャツ越しにわずかな突起を探り出す。そしてそこを指で触った。
「どっ……どこを触っ……!?」
紫藤はやめさせようとするが、ネクタイで縛られているので手は届かない。
その慎ましい突起は青生の指の腹に撫でられているうちに、ワイシャツの上からでもわかるほど形を成してきた。
「ここ……いい?」
「ち、が……っ」
「違う? ……本当に?」
青生は胸の状態を確かめようと、紫藤のワイシャツに手をかけた。
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