02 会社でヒートを起こしてしまい…!?

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02 会社でヒートを起こしてしまい…!?

 それから数ヶ月後――。  はぁ、はぁ、と息を乱しながら、青生は身を潜めていた。  社内で発情(ヒート)の兆候を感じ、とっさに倉庫として使われている部屋に逃げ込んだ。  予定より、五日も早かった。  いつも、月に一度の発情期が来る予定日の、三日前からヒートを抑える抑制剤を飲むようにしていて、それで困ったことはない。  それぐらい青生の発情期の周期は安定していたのだが、多分、あのストレスで体調が狂ったのだ。  数日前に、派遣契約の終了を告げられた。  来月末で契約終了。  今は五月末なので、一ヶ月後の六月三十日に終了ということだ。  契約終了の理由は、本社から通達された組織の再編成。  課が統合され、派遣社員の数が減らされることになったのだ。  さすがにこれはどうしようもない。  派遣会社の営業は、次の派遣先を紹介すると言ってくれたが、青生は不安でいっぱいだった。  なぜなら、青生はオメガだからだ。  人類には、他の動物とは違い、男女の性別の他に、バース性という第二の性別がある。  アルファ、ベータ、オメガ。この三種類だ。  アルファは人口の一割程度で、能力に優れた者が多く、あらゆる分野の上層部を占めている。  またアルファには女性がほぼ存在せず、アルファといえば男性アルファを指す。  ベータはいわゆる普通の人で、人口の八割以上。男女比はほぼ同じ。  そして一割以下のオメガは、女性が多く、男性が少ない。  オメガには発情期があり、女だけでなく男も妊娠できる。  その期間にはオメガフェロモンが出て、アルファと、ベータの一部を強く誘惑してしまう。
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