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昨日もう一度したいと思ったならそれを引っ込めなくていいと言いたいのだが、それは紫藤には伝わらない。
青生としても、もう一度体を重ねてA判定かどうかを確定させたかったが、それは焦らない方がよさそうだ。
「じゃあもう一度するっていう話は白紙にしましょう。でもこれも何かのご縁ですし、せっかくですので婚活、しませんか?」
「……君に交際してもらっても、いい返事ができないかもしれない」
あ、そんなこと気にしてたのか、と思う。
「交際してみて駄目だった、なんて、全然OKですよ。僕、一年マッチングしてますけど、ずっと相手にそれ言われ続けてますから」
「一年もしてるのか? マッチングを?」
目を瞠られ、まずったか、と思う。
そういえば昨日もマッチングの話を出した途端に、おかしな方向に話が転がりだしたんだった、と思い出す。
マッチングにかなり悪いイメージを持たれているのは間違いない。
じゃあ、結局、無理かな。
ビッチだと思われているなら、成婚は難しいだろう。
結果が見えているなら、お互いに時間のロスだ。
普段の青生ならこの時点で諦めているところだ。
が。
……いや、ブレるな。
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