02 会社でヒートを起こしてしまい…!?

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「この体勢なら、大丈夫……」  この姿勢を取り続けるなら、うなじを噛まれることはない。  そんな一時しのぎな理屈で紫藤の警告を受け流し、青生は自分の尻をズボン越しに紫藤の股間にぐりぐりと押しつける。  そこはあっさりと硬さを増し、紫藤は悲鳴に近い声を上げた。 「ま、待て! このままじゃ私まで、アルファの発情(ラット)を起こす!」  オメガフェロモンを浴びれば、アルファも発情を起こす。だが今の青生に危機感などなかった。  青生は紫藤のワイシャツをつかんで上に引っ張る。ズボンからワイシャツが引き抜かれ、紫藤の腹が露わになった。  うわ。  目に飛び込んできた光景に、どきりとする。  腹筋が綺麗に割れている。思わず触りたくなるような体だ。  まだ二十歳の青生から見れば、二十九歳の紫藤はかっこいい大人ではあったが、九歳上となると年が少し上すぎて、性愛の対象として認識したことはなかった。  だが目の前にある肉体は「年が上の人の体」ではなく、性的魅力にあふれていた。 (課長、若……っ)  アルファなら誰でもよかったのだが、全然いける相手で、青生は速攻で紫藤のベルトを外し、ズボンと下着をずらした。  びん、と反り返るように紫藤のそれが出てきて、今度はその太さに目を瞠る。  マッチングでもなかなかお目にかからないほどのものだ。 「すご……」  愛撫というより、思わずという感じでそれを握り、その張り詰め具合を手で確かめる。
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