02 会社でヒートを起こしてしまい…!?

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「そん……っ!?」  紫藤の顔が紅潮し、ぶわっとアルファのフェロモンがまき散らされた。ラットだ。  これで紫藤も逃げるだけではすまなくなる。  どこかで発散しない限り、そのラットは収まらない。  そして発散できるところなど、社内にはここしかないはずだ。 「ど、どうするんだ、こんな……っ」  いつも襟元までネクタイを締め、髪をオールバックにきっちり整えている紫藤が、今、そのネクタイで両手を縛られ、発情に息を乱し、前髪はすっかり落ちてきている。  こんな顔、するんだ。  普段とのギャップを感じ、青生の興奮は(たかぶ)っていく。  相手が逃げる心配がなくなったところで、青生は自分のズボンと下着をすばやく脱ぎ捨てた。  ヒートが始まってから、もう一時間も経っているのだ。  下着がぐしょぐしょになるぐらい、そこは()れていた。  青生は再び紫藤にまたがり、その立派なものの上に腰を落とそうとした、のだが。 「ちょっ、ちょっと待て!! ほんとに私とするつもりなのか!?」  青生の主観ではもうするしかない状況なのに、紫藤は必死に制止してくる。 「駄目……?」 「駄目に決まってる!」  なんで? 「恋人、いないのに?」
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