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沙月が訊ねると、貴之は「このプレゼンを聞いてほしくて、作った」と言いながらキーボードを押す。すると、パッとパワーポイントの一ページ目が映った。
「えっ……」
そこにあったタイトルは、「篠原沙月さんと結婚を前提にお付き合いしたい」と書かれている。
「ほとんど挨拶しかしたことがない関係だけど、篠原さんの笑顔や、まとめてくれたわかりやすい資料とか、周りをよく見ているところとか、色んなところで好きになった。……俺のこと、プレゼンさせてもらっていいですか?」
貴之が真剣な、しかしどこか緊張しているような表情で訊ねる。沙月は顔を赤くしながら、ただ頷いた。
運命が大きく変わるプレゼンが、始まったーーー……。
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