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俺は高校三年生で、ここ広陵高校の生徒会長を務めている。
神くんとこんな関係になったのは二ヶ月前だ。
二人、生徒会室に居残って資料をまとめていた時だった。
神くんが唐突に「会長、男同士のセックスに興味ありません?」なんて、サラサラの色素が薄い前髪が目にかかる、整った目鼻立ちの瞳をニッコリ細めて、見たこともない妖艶な笑みを湛えながら言ってきて。
「は?」と俺がポカンとしていると、神くんがおもむろにこちらに近付いてきて資料を持っていた手首を掴まれ、気付けば唇を塞がれていた。
資料がバサバサと音を立てて床に舞っていくのを見開いた目の端が捉えた。
「んっ! んん!」
俺は突然のことに驚いて、これまでの人生でキスなんてしたことがなかったから、今、されているこれは何だ? と頭が真っ白になる。
口付けを解いて欲しいのに神くんが俺の腰をガッチリ引き寄せて。
逃げ惑う舌を絡め取られ、何度も吸い付かれる。
角度を変えて何度も何度も唇を食まれ、上顎を舐められると背筋に感じたことのない快感が駆け上がって不覚にも下半身が疼いて、男相手なのに何故? と混乱した。
そのままブレザーのボタンが外されて、肩からバサッと床に落ちた。
どこか非現実的な瞳でそれを見つめた。これは何? 俺は今、どういう状態? 焦る気持ちとは裏腹に、ネクタイが引き抜かれシャツのボタンがどんどん外されていく。
解かれない口付けで俺の口端から涎が垂れ、その不快感に唇を拭いたいのに、神くんの指が首からそっと這うように胸へ辿り着いて。
きゅっと飾りを捻られると口付けの隙間から「ぁっ」と声が漏れる。
そのまま俺は生徒会室のパイプ椅子に無理やり座らされて、神くんにぐるっと円を描くように上気して朱く染まった乳輪を舐め回された。
「ぁっ、神く……俺、ダメだって……」
「何がダメなんですか?」
神くんが悪戯な視線で俺を見つめる。
俺の口端から漏れた涎がついた唇を艶めかしく、赤い舌を出してペロリと舐めている神くんを怯える瞳で見つめた。
「こんなこと、女の子とだってしたことないから……」
「へぇ」
ニヤリと神くんが笑った。
その笑みは獲物を捕らえた肉食獣のそれだった。
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