長い手紙

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 カイエル・マシューは私からその謎の箱を奪おうとして、マフィアの人間を私の家に送り込みました。いくつもの嫌がらせを受け、家の中に押し入ってきたこともあります。  家に入ってきたときは警察に連絡しました。警察はすぐに到着し私は無事でしたが、最悪なことに、この町の警察とマフィアが良き友人であることを目の当たりにしたのです。  彼らは友人のように挨拶を交わし、友人を諭すように早く帰りなさいと促すだけでした。  その日はそれで済み、隠し部屋については隠し通すことができました。ですが、きっとまた同じことが起きます。そして次はもっと用意周到に略奪を試みるでしょう。私一人を言いくるめることは簡単だと、カイエル・マシュー達は考えているでしょうが、あいにく、私は権力に屈するのが大嫌いです。  そして隠し部屋の鍵をこの銀行の貸金庫に預けたのです。――』
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