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屋敷の中に入ると老夫婦は早速隠し部屋へ案内しようと歩き出しましたが、ウーは簡単な英語で二人を呼び止め、玄関の鍵を掛けました。
「気をつけて」
ウーはサリーがマフィアにやられたとしたら、血縁者であるこの老夫婦が次の標的になることを予想しました。そしてアジア系であるというだけで十分に目立ってしまうということは自身の経験からもわかっていました。
自分がこの町にやってきたことでマフィアはすでに我々に目を付け、動き出しているかもしれない。だとしたら、この家に来て財宝や例のパズルボックスを持ち出すタイミングを見張っているのではないか。そう考えたのです。
言葉は交わせませんが、老夫婦はウーの意図を理解しました。それは恐ろしいことでした。サリーの身に起きたことが自分たちにも起ころうとしている――!
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