N極~Side:木下~

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まずは観察だ。 俺は何気なく並木を観察した。 とにかく、持っているもの全てがオシャレだ。 コート、ネクタイ、腕時計、財布など。 俺が選ぶまでも無い。 全くいい案が思いつかず、俺は途方に暮れた。 「はぁー」 俺は盛大にため息をもらした。 世の恋人たちは、どのようにしてプレゼントを選んでいるのだろうか? ぜひ、教えて欲しい。 「木下どうした?顔色わるくないか?」 並木が俺の傍にきた。 最近の彼は職場でも距離が近い。 今も、俺の額に手を当てて、熱がないか確認している。 「熱はないな。疲れてる?」 「ううん、そんなことないけど...」 バレンタインのプレゼント選びに悩みすぎて、頭がパンクしそうだとは言えるはずもなく、俺はなんとかその場をやり過ごした。
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