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咲桜と別れた俺は正式に琴美と付き合い始めた。二十二歳で若い琴美なら結婚なんてまだまだ先だと思っているだろう。俺はすっかり気が楽になっていた。
それからは琴美が俺の部屋を訪れるようになった。すると隠したつもりの咲桜の荷物がアレコレ見つかってしまう。これは誰のだと追及され、結局全て話すことになった。
「総務部の南野咲桜? その人が元カノなのね?」
「ああ。でもちゃんと別れたよ」
「だけど亮くんこんなにイケメンだものぉ。絶対未練持ってるはずだわぁ。おばさんはもう出る幕ないんだよって、教えてあげなきゃダメじゃなぁい?」
「大丈夫だよ。あれから全く連絡取ってないし」
琴美はしばらく不貞腐れていたが、すぐに機嫌を直した。
「まあ、いいや。ねぇ~それより亮くぅん。琴美お腹空いちゃったぁ。どこかにご飯食べに行こっ」
琴美に甘えられると本当に弱い。七つも下だと怒る気にならなくて、なんでも許してしまうのだ。やっぱり、琴美を選んで良かったと俺は感じていた。
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