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19 亮太視点②
「え、結婚式の二次会に行きたいの?」
琴美がベッドの中でニコニコしてねだっている。
「うん。亮くんの同期の人の結婚でしょぉ? 私もお祝いしたいなあと思ってぇ。二次会なら構わないよねぇ?」
確かに会費さえ払えば問題ないと思う。だけど咲桜も絶対に来ているはずだ。二人がかち合うのは問題じゃないか。
「大丈夫よぉ。南野さんにもちゃんと挨拶するからぁ。琴美、亮くんのお友達とも仲良くしたいのぉ」
(確かになぁ。咲桜は、俺と付き合っていることを会社や同期に頑なに秘密にしてた。俺は別に知られてもよかったんだけど。だから今度は、琴美みたいな可愛い彼女がいることをみんなに知らせたい気もするな)
「わかったよ。同期に言ってみる」
「わぁ、嬉しい~。ありがとう亮くん!」
咲桜には悪いけど、俺たちの仲はもう終わったことだ。とはいえ少し気まずいから、同期たちには事情を話して俺たちと咲桜が接触しないようにしてもらうか。
「ねぇ亮くん、琴美二次会に着て行くワンピース欲しいなぁ。一緒に買いに行ってくれる? ちょっとお金が足りなかったら助けて欲しいのぉ」
「わかったよ。明日、行こうか」
「やったぁ。亮くん大好きぃ~」
俺に抱きついて甘えてくる琴美。こんな仕草が本当に可愛い。咲桜はこんなことしてくれたことはない。
(もしかしたら琴美を見た咲桜は僻むかもしれないな。咲桜よりだいぶ若くて可愛いから。そんなことする奴とは思わないけど、嫌味の一つくらい言われるかも。ずっと琴美の側にいて守ってやらなくちゃな)
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