21 琴美視点①

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 でも歴代の彼氏はみんな、普通の人ばかり。お金持ちってなかなか出会えない。 「そりゃあセレブはセレブと結婚するでしょ」  女子大の友人、真紀が言う。 「お医者さんとか弁護士とか、そういう人は実家が金持ちで可愛い子と結婚するのよ。高望みはやめときなさいって」  有名でもない、偏差値も低い女子大に通う私たちにはそんな人たちとの合コン話は舞い込んでこないのだった。  ならば就職先でいい人を見つけよう。幸い、男性はそこそこ給料のいい会社に就職できたので、ここで選ぼうと決意した。  配属されたのは営業。男性はたくさんいる。この中から顔が良くて優しくて仕事の出来る人を選べばいいと思った。  若くて可愛い私にはいろんな人がモーションをかけてきた。既婚者もいたのには驚いたけど。でも私はその中で、武田亮太を選んだ。  顔は可愛くて好みだし、仕事も頑張ってる。彼の担当が私だったので話す機会も多く、いい人だというのもわかっていた。  思い切ってご飯に誘うとすぐにOKしてくれた。そして交際が始まった。  亮くんは私にメロメロだ。この調子なら遅くても二十四歳で結婚できるだろう。      
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