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(あんなの絶対嘘。まだ別れてほんの少しなんだから。……そうよ、きっとレンタル彼氏とか便利屋に頼んだんだわ。そうに決まってる)
亮くんは少しショックを受けているようだ。たぶん、あれが本当に彼氏だと思っているのだろう。
「絶対レンタル彼氏に決まってる。亮くん、騙されちゃダメよ」
そう言うと亮くんは微かに頷いた。
同期の人があのイケメンは凄い車に乗ってたって言ってるけど、その車だってレンタカーに違いない。
そこまでしてでもあの女は私に勝ちたかったのだろう。
「もう、亮くんたら! そんなことよりお友達に琴美を紹介して?」
そう促すとようやく紹介してくれた。俺が付き合っている川上琴美さん、って。
「若い彼女で羨ましいよ」
みんな口々にそう褒めてくれる。やっぱりこうでなくちゃ。私は常に他人から羨ましく思われる立場なの。
「そんなことないですよ。若くて至らないことばかりですけどよろしくお願いしますね」
一番可愛く見える角度で微笑んで挨拶した。
私は亮くんと結婚するんだから。絶対、一年以内に。
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