─第二章─約束をしよう

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 ────あれから三ヶ月が経った。  ぼうっと窓の外を眺めるだけの今日この頃。  どこからとも無くやって来た鳥が、ちょうど俺のいる窓の前でくるりくるりと旋回して、右へ左へ、上へ下へと飛び回る。  好奇心を刺激され、なんか胸がそわそわっとしたけど、いやこれってあれだろ所謂猫の……とか考えると、人間としての俺がそれはちょっと……と強く主張してくる。ただ、ワクワクからピーンと立った耳や、くねくね動くしっぽはどうにもならなかった。  鎮まれ俺の第三の腕……とか言ってみるが、やっぱ第三の目とかじゃないとなんかかっこ悪い。三本目の腕はなぁ……なんかちょっと系統が違う気がする。  ────と、それよりも突っ込み待ちだと思うので、ここらで現在の状況を説明しようと思う。  多分、いやなんでそんなに平和?  とか。  えさっきまで死にそうだったじゃん……え? だとか。  それはもう色々と、疑問に思う事だろう。  だが、答えは簡単。  苦しんでないのは俺が今隷属の首輪を着けてないからで、どうやって取ったのかは今から説明させて欲しい。  あの後疲れて眠った俺は、翌日朝日で目が覚めて昨夜の事を思い出すなり、恐らく享年十八歳の人間として無事、反省タイムを迎えた。  その場に恐怖の対象(にんげん)がいなくなった途端、助けて貰ったのになんだあの態度は、と自分の不甲斐なさに頭を抱えた。  朝方窓の下、この宮の使用人たちが話している声が聞こえて来て、『第二皇子殿下が保護された聖獣様が────』なんていう噂話を耳にした時には、更なる反省で思わず耳としっぽがしゅーーーんと萎びれてしまった程だ。  ……次にあの子がこの部屋に来たら謝ろう。  そう思っていたのだが、あの子が俺に食事を届けに来てくれた際…… 『っ! いらない……っ、こっち来るな!!』  ────そう口走ってしまったのは忘れもしない。  謝ろうと決意したその日の出来事だった。
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