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突然、目も開けてもいないのに視界がバチバチ点滅して、それから耳元でバクバクと動悸がした。
それはその後も続いて……いや、むしろ悪化していった。
────で、さ。
うわー身体重い、頭痛いし気持ち悪いなーって、気分がみるみる落ち込んでくもんだからすげー焦った。
なんせ兄貴は病弱だからな。俺が体調崩そうもんなら、精神的な不安からあっという間に俺より重症コース待ったナシだ。
そんなわけで酷くなる前にさっさと風邪薬でも飲んじまおうって目を開けたんだよ。
そしたらさ、
────地雷だった。
いや、違うんだよ。
待て、でも嘘じゃないからな。
身体の至る所が馬鹿みたいに痛みを訴える中、俺の目の前に飛び込んできたのは近年稀に見るほど時代を間違えたようなフリッフリの、中世ロリータ服を着た少女だった。
ピンクを基調に差し色には存在感のある黒い幅広のリボン。
ほら、地雷。な?
────そう、俺は気付いた時には人形になっていた。
ああ、いや……語弊があった。
俺は少女の“着せ替え人形”にされていた。
金髪縦ロールのお嬢さんは、使用人を使って俺を好き勝手鼻息荒く着せ替えさせてきた。……しかも俺に、チョーカーなんて可愛い名前じゃ済まされない様なごっつい首輪までつけて。
『つーか俺に首輪て。悪趣味だなあ』
────とか、思ってただろうな。
今までの俺なら。
しかし今の俺は、少なくともこれが少女の人形遊びの趣味で付けられたものではない事をよく知っていた。
残念ながら、その胸糞悪い用途も。
と言うのも────。
……俺、なんっか転生してるっぽいんだよなぁ。
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