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東京都内の大ホールにて。
スポットライトの光を全身に浴びる人形を操る男と、それを見つめる客が無数いた。
その中に、珍しく少女の姿があった。壮年が大半を占める男のショーでは、極めて珍しいことである。
少女は、この数瞬で完全に男の虜になっていた。男のパフォーマンスに息を呑む客も、隣の両親も、煌々と輝くスポットライトすらも目に入らない。
少女…名を、久野咲良という。少女は完全に、操り人形師に囚われてしまった。
まるで自分も、彼の操り人形となったかよように…。
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