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本棚の漫画が
本棚の紙の漫画本が全部処分されていた。
私がよく行く長い透明なエスカレーターが左に見える駅ビル。
1階から2階には奥の階段を上る。2階から3階の階段はフロアの真ん中にある階段を上るとおいう複雑な階段になっている建物を上っていく。
その複雑な作りの書店の建物の外側の壁際にある本棚にはハードカバーの小説が陳列されている。
その他の内側の本棚と階段を利用した本棚にはすべて漫画本がならんでいる。どちらかというと漫画の専門書店のような感じなのだ。
あまりにも漫画の数が多いので、一階から三階まですべての本棚に分類別に分けられている。その為、同じ漫画が違うフロアにある事も少なくはない。
それなので、探す手間を省くために自分の好きな分類の本棚をめがけて人込みを掻き分けて行く。そうするとまとめて好きな本が手に入る。
私の目指すのは2階と3階の間にある階段の途中の本棚。
そこに移動する間にも何だか違和感はあった。
いつも目にしている漫画の背表紙が見慣れないものにすべて変わっているような気がしたのだ。
目的の分類をしてある本棚に到着した。ところが、やはり、嫌な予感は当たっていた。目的の本棚の本もすべて、見慣れない背表紙になっている。全てがハードカバーの小説になっているのだ。
『こんなことってある?』
あれだけ漫画に力を入れていた書店なのに、なぜすべての本が入れ替わっているのか。
私は書店の店員を呼んで聞いた。
「漫画は?漫画はどうしたんですか?」
「何をおっしゃっているのですか?お客様。」
「かなり前からこの書店では漫画は扱っておりません。」
確かに私がこの駅ビルに来たのは久し振りだ。
でも、かなり前って1年は経っていないのに。
ショックを受けながら自宅に帰って、自宅の本棚の前に行った。
なぜか自宅の本棚からもすべての漫画本が消えていた。
あれ?元々はちゃんと漫画があったはずなのに。
夫に聞いてみる。
「ねぇ、私の漫画は?」
「え?漫画なんてあったっけ?」
私があまりの事態に呆然としていると。
書店の人まで急に部屋に集まってきて、
「嘘~。騙されましたね~。」
と、大笑いしながらまるで紙吹雪のように漫画の本を私の頭にばらまき始めた。
その本を当たったら危ないとかも考えずに、
「あぁ、よかった。漫画。あった。」
と、つぶやく私。
その瞬間に
「え!」
と叫んで目が覚めた。
いや、ベッドに起き上がっていた。
起きてからもしばらく呆然とするほどリアルな夢だった。
時計を見ると夜中の2時48分。これは追加の眠剤を飲んでもう一度眠らなければ。
夢落ちで申し訳ない。
しかし、あまりにもリアルな夢だったのと、自分がどれほど漫画の本を大切に思っているかが如実に表れた夢だったのだ。
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