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高校からはバイトをしようとは考えていた。
中学の頃、もう少し偏差値の高い高校を狙えると言われていたがここだと家から近い、バイト可、部活も自由と言ういいとこ取りの高校だった。
沙夜には少し申し訳ないことをしたとも思うが。
いつからこんなに無気力に生きるようになってしまったんだ。
僕は本当に。
別に家庭環境が劣悪と言うわけでもなく、いじめにあってる訳でもないのに。
家に帰ると女の子用のローファーが綺麗に揃えられていた。由花だなと思って自分の部屋を開けると僕のベットの上で漫画を読んでいる由花がいた。
「おい、新しい制服がすぐくしゃくしゃになるぞ」
「えぇ、今いいとこなんだからいいじゃん」
「俺には関係ないからいいけど、ここは漫画喫茶じゃねーんだよ」
「へいへい」
と重そうに起き上がって制服を脱ぎ始めた。
「バックの中にジャージ入ってるから取って」
「仮にも健全、彼女持ちの男子高校生の前で生着替えですか。由花さん?」
「彗は私の中では幼稚園生の記憶で止まってるからいいの」
よく言うよ。
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