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「若様ぁ―――っ! お家に恥じぬよう、手柄を以て功名をお立てくださいませ―――っ!!」
メイドの声援を受け、巨人の騎士がゆっくりと動き始める。
鎧の隙間から見える油圧作動筒を伸縮させながら……
背中に背負う大きな箱のようなものの重みをものともせずに……
そう、この騎士は身長十メートルを軽く超す、からくり仕掛けの巨人……
その名も――
「補助機関作動、発電開始……汽罐内圧力上昇……蒸気注入開始、焔玉機関始動……出力上昇……前席、発進準備よろしですぞ」
「了解、後席……さぁ、戦いの時だ……立て、鉄甲騎〈ソル・クラーウ〉!」
[若様]こと青年操縦士ジルフリードは18才になったばかりの覇気のある声を上げ、力強く操縦桿を引き上げる。
目の前の受像機に映し出される映像が、操縦に合わせて上昇する。
ソル・クラーウの機体が床几から立ち上がったのだ。
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