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第1話
時は、2023年6月の大安吉日の日曜日の昼過ぎのことであった。
場所は、鞆ノ浦(広島県福山市)にある料亭の奥座敷にて…
奥座敷では、結婚披露宴が催されていた。
結婚披露宴の主役は、村前徳広・しのぶ(70代)の夫婦の次男・温大(41歳・大学の研究室勤務)と嫁・永眞(39歳)であった。
結婚披露宴に出席しているみなさまは、村前の家の親類縁者たちだけであった。
永眞の親類縁者たちは、全員ソエンになっているので出席していなかった。
それでも、結婚披露宴はなごやかな雰囲気をたもつことができた。
徳広しのぶ夫婦は、満面の笑みで結婚披露宴を見つめながらつぶやいた。
温大と永眞さんが結婚できてよかったわ…
温久(長男・52歳・銀行員)と新月(三男だが徳広のセクハラで被害を受けたOLの子・30歳)は温大のためにがまんしてもらおうか…
そうよね…
温久と新月は、独身でいる方が気楽でいいと言うてたよね…
うん、言うてたわよ…
そうだな…
温久と新月のことを思ってくださる相手はひとりもいないから、待つだけムダよね…
そうだな…
徳広しのぶ夫婦は、家の嫁はふたり以上はいらないとつぶやいたあと、満面の笑みで結婚披露宴を見つめていた。
徳広しのぶ夫婦は、温久と新月自身が独身で通すと言うたので嫁さんは必要ないと言うた。
しかし、温久と新月自身は、生涯独身で通すことを望んでいるのかと考えたくなる。
徳広しのぶ夫婦は、自分勝手な思い込みが原因で温久と新月の気持ちをさかなでにしていると言うことに気がついていないようだ。
悲劇は、ここから始まった。
時は流れて…
2023年7月18日の朝7時過ぎであった。
ところ変わって、福山市松永町にある特大サイズの和風建築の家にて…
家のダイニングテーブルに徳広しのぶ夫婦と温久と温大と永眞と新月としのぶのオイゴ・大可賀麿人(31歳)の合計7人が座っていた。
テーブルの上には、永眞が作った朝ごはんが並んでいた。
家族6人と麿人が朝ごはんを食べていた時であった。
(バーン!!)
ものすごく怒った表情をしている温久が平手打ちでテーブルをバーンとたたいたあと、席を立った。
そして…
(ガーン!!)
温久は、右足で席をけとばしたあとスーツのジャケットと黒の手提げを持ってダイニングから出ようとした。
永眞は、温久に対して困った表情で言うた。
「義兄さま、義兄さま〜」
「(温久、怒鳴り声をあげる)なんぞぉ!!」
「ごはんがたくさん残っていますよ。」
「電車に乗り遅れるんだよ!!」
「だったら、うちが職場に電話しますから…」
「はぐいたらしいんだよ!!」
「義兄さま!!」
「なんや!!オレにいちゃもんつける気か!?」
「うちは、朝ごはんを食べてから出勤してくださいと言うているのですよ~」
「だまれ!!だまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだーーーーーーまーーーーーれーーーーーー!!…オドレはクソナマイキな女だ!!オレに対していちゃもんつけたからうらんでやる!!」
温久は、永眞を怒鳴りつけたあとジャケットと手提げを持って家から出ていった。
(ドーン!!)
温久は、玄関のドアをドーンとしめた。
(バーン!!)
それから1分後に、新月もテーブルを平手打ちでたたいて席を立ったあとダイニングから出ていった。
温久と新月がものすごく怒った様子で出ていったのを見たしのぶは、ものすごく困った表情で徳広に言うた。
「あなた!!」
「(徳広、めんどくさい声で言う)なんぞぉ~」
「やっぱり、よくなかったみたい…」
「(めんどくさい声で)今ごろなにいよんぞ〜」
「あなた!!」
「(めんどくさい声で)温久は50を過ぎているから結婚はできん…新月はコーコーをやめているから結婚はできん…といよるのに…」
「できんできんできんできんできんできんできんできんできんできんできんできんできんできんできんできんできんできんできんできんできんできんできんできんできんできんできん…とあんたが否定ばかりしていたから温久と新月が婚期を逃したのよ!!」
「(めんどくさい声で)温大に嫁さんが来ただけで十分やろが…」
「はぐいたらしいクソバカテイシュね!!あんたのムカンシンが原因で温大の婚期が大きく遅れたし、温久と新月に嫁さんが来てもらえなくなったことに気がついてよ!!あんたは父親失格よ!!」
しのぶは、テーブルに置かれていたコバチで徳広の頭を殴った。
殴られた徳広は、ものすごくいじけた表情でダイニングから出ていった。
このあと、しのぶは怒りのほこ先を温大に向けた。
「温大!!」
「なんぞぉ~」
「あんたは、なにを考えて生きているのかしら!!」
しのぶに怒鳴られた温大は、ひどくコンワクした表情でしのぶに言うた。
「なんだよぅ…オレが大学で研究していることがそんなに気に入らないのかよぅ~」
「温大ひとりのせいで温久がどれだけガマンしているのか…を考えたことがあるの!?」
「分かってるよぅ〜」
「温大が東京の大学に進学すると言うた時に、おかーさんは温大に条件を出したのよ!!」
「聞いてないよぅ~」
「おかーさんは温大に大学を卒業したあとは、笠岡(岡山県)の鋼板工場に就職しますと決めたのよ!!」
「なんで勝手に決めたのだよ!!」
「大学を卒業したあとプータローになったら困るからおかーさんが知っている人にたのんだのよ!!それをあんたが『研究したいテーマが見つかったから…』と言うたから、おかーさんは知っている人に『待ってください。』と頼んだのよ!!…その時おかーさんは、温大に『研究の成果が実って表彰式で賞状をいただいたあとは松永に帰りなさい!!』と言うたのよ!!それなのに、なんで言うことを聞かなかったのよ!?」
「あの時、大学で出会ったカノジョと挙式をあげる予定だった…結婚したあとも東京の大学で研究をつづける気でいたのだよ!!」
「ますますはぐいたらしいわね!!研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究…あんたのワガママが原因で温久がどれだけガマンしたのか…分かってないわね!!」
「ふざけるなよ!!そう言うおにいかて陸上自衛隊のコーコー(高等工科学校)〜海上保安大学校でカネもらいながらベンキョーしていたじゃないか!!」
「温大の大学の学費や仕送りなどは、温久が陸上自衛隊のコーコーと海上保安大学校に在籍していた時に貯めたおカネなのよ!!」
「それじゃあ、どうすればいいのだよ!!ぼくは今、研究しているテーマがあるんだよ…研究させてくれよ!!…(大学で知り合った)カノジョとの結婚を阻止たこともふくめて、一生うらみ通すからな!!」
温大は、しのぶに対してタンカ切ったあとダイニングから出ていった。
永眞は、温大に対してごはんが残っていると言うた。
「あなた!!」
「なんぞぉ!!」
「義母さまになんでひどいことを言うのよ!!」
「だまれ!!だまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだーーーーまーーーーーれ!!ぼくは大学で研究したいテーマがあるのだよ!!口出しするな!!」
温大は、永眞を怒鳴りつけたあと家から出ていった。
温大から怒鳴られた永眞は、ものすごくつらい表情でつぶやいた。
なんでそんなにガーガーガーガーおらぶのよ…
うち、しんどい…
このあと、しのぶはまだごはんを食べている麿人に対してカドにやさしい声で言うた。
「麿人、朝からごめんね。」
麿人は、キョトンとした表情でしのぶに言うた。
「なんのことぞぉ〜」
しのぶは、カドにやさしい声で麿人に言うた。
「おばさんは、温大さんが言うことを聞かないから注意しただけなのよ…お嫁さんもらったのに、大学で研究するのはダメだから…」
麿人は、めんどくさい声で言うた。
「お嫁さんもらった人が大学で研究したらいかんのですか?」
しのぶは、カドにやさしい声で麿人に言うた。
「だから、お嫁さんを食べさせてあげることが最優先だから研究はやめなさいと温大に注意したのよ。」
「(麿人、ますますめんどくさい声で言う)おばさんがいよることは、理解できません…」
ものすごく怒った表情を浮かべている麿人は、黒の手提げを持って席を立ったあとダイニングから出ていった。
麿人も、朝ごはんをたくさん残したまま家から出ていった。
麿人からめんどくさい声で言われたしのぶは、ものすごく困った表情であたりをキョロキョロと見渡しながらつぶやいた。
なんで麿人は理解しないのよ…
結婚したら、お嫁さんを食べさせることが最優先だから大学で研究することできないのは本当なのよ…
それよりも、温大が目をさます方法があったら教えてよ…
ところ変わって、福山市東村町(山ぞいの地区)にある大学にて…
温大は、東京の大学の研究室にいた時にお世話になった主任の紹介でこの大学の研究室にやって来た。
現在、温大は2025年に完成させることを目標に新しいテーの研究に取り組んでいた。
またところ変わって、JR岡山駅の東口の広場(桃太郎の銅像がある広場)にて…
広場は、おおぜいの通勤通学客でにぎわっていた。
通勤電車から降りた温久は、おおぜいの通勤通学客たちと一緒に桃太郎通り(電車通り)へ向かって歩いた。
時は、朝8時50分頃であった。
またところ変わって、岡山市北区平和町にある大手都市銀行(三菱UFJ銀行)の支店にて…
スーツ姿の温久は、ものすごくいらついた表情で仕事を始める準備をしていた。
温大はオレをグロウするだけグロウした…
オレが陸上自衛隊のコーコーと海上保安大学校にいた時に貯めたおカネを使って東京の大学へ行った…
研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究…
温大は、大学でなんの研究をしよんか…
新月も新月で甘ったれている…
新月も新月で、自由と権利ばかりをシュチョーしている…
だからなお許さない…
麿人も麿人でチョーシにのっているからなお許さない…
永眞も永眞でクソナマイキだ…
どいつもこいつも…
ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ…
…………
またところ変わって、福山市今津町にある高級住宅街にて…
高級住宅街にチャラい格好をした新月がやって来た。
新月は、家の前に立っているかわいいエプロン姿の人妻・来住田藍子(32歳)に近づいた。
新月は、なれなれしい態度で藍子に近づいた。
「藍子〜」
「(藍子、ものすごくつらい表情で言う)なによぅ〜」
「(新月、なれなれしい態度で言う)久しぶりだな~」
「あんたなんか知らないわよ!!」
新月は、藍子の前で『たのみがあるけどいい?』となれなれしい声で言いながら両手をあわせた。
藍子は、しぶちんの表情で『分かったわよ~』と言うた。
(カチャッ…ピーッ…)
この時、近所で暮らしているチクリ奥さまが新月が藍子の家に入って行く様子をスマホの動画カメラで撮影した。
チクリ奥さまは、松永町にある村前の家の近所で以前暮らしていたことがあった。
新月は、過去に女…特に人妻がらみのもめごとを犯した前科が複数件あった。
だからチクリ奥さまは、新月が悪さをしているところをスマホの動画カメラでカクシドリしていた…と言うことであった。
チクリ奥さまは、家の中で藍子に対して新月がカネを求めている様子までの間を動画で撮影した。
またところ変わって、東尾道にあるフジグランにて…
フジグランは、永眞がパートで働いている店舗である。
永眞は、青果食品売り場の陳列棚に今朝入荷した野菜類を並べる作業をしていた。
そこへ、例のチクリ奥さまが永眞のもとにやって来た。
近所の奥さまは、ものすごくいらついた表情で永眞に言うた。
「村前の奥さま!!」
「(キョトンした表情で言う)はい?」
「あんたこの頃、顔がナマイキになっているわよ!!」
チクリ奥さまからきつい言葉をぶつけられた永眞は、コンワクした表情で言うた。
「奥さま!!それはどういう意味でしょうか!?」
「あんたこの最近、義弟さんに対して殴るけるの暴力をふるっているみたいね!!」
「ふるっていません!!」
「ますますはぐいたらしいわね!!義弟がまた来住田さん方の家にずうずうしく上がり込んで行く様子を動画で撮影したわよ!!」
ブチ切れた奥さまは、バックの中からスマホを取り出したあとカメラのアプリを起動させた。
その後、隠し撮りした動画を永眞に見せた。
画面には、新月が藍子にカネをくれと求めている様子が映っていた。
「なあ、頼むよ…10万…だめなら5万でいいからさ…頼むよ…」
「困るわよ…うちは、家のローンなどでなにかと大変なのよ…」
「お前にメーワクかけないから…この通り…頼むよ…」
新月から頼まれた藍子は、財布の中から5万円を出したあと新月に渡した。
カネを受け取った新月は、ヘラヘラした表情で『助かった〜』と言うた。
チクリ奥さまはアプリを閉じてスマホをバックにしまったあと、グーで永眞の右腕を3回殴りつけた。
(がツーン!!がツーン!!がツーン!!)
殴られた永眞は、泣きそうな声で奥さまに言うた。
「なんでしわくのですか!?」
「あんたに原因があるからしわいたのよ!!今度また義弟が来住田の奥さまに会いに来たら、スマホで撮影した動画をテレビ局に送るわよ!!覚悟しておきなさい!!」
(パチーン!!)
チクリ奥さまは、平手打ちで永眞の顔を平手打ちで激しく叩いたあとその場から立ち去った。
それから1分後であった。
近くにいたパート従業員さんたち4人が永眞のもとにやって来た。
「村前さん!!」
「村前さん!!」
「大丈夫ですか!?」
「一体、なにがあったのですか!?」
4人の従業員さんたちの呼びかけに対して、永眞はつらい声で『大丈夫よ…』と答えた。
そこへ、オツボネのパート従業員が通りかかった。
オツボネのパート従業員は、ものすごくナマイキな態度で永眞に言うた。
「あんたね!!一度鏡に自分のツラを写したらどう?」
オツボネが言うた言葉に対して、従業員さんAが怒った表情で言うた。
「なにいよんであんたは!!村前さんにどんな落ち度があると言うのよ!!」
オツボネは、えらそうな態度で従業員さんAに言い返した。
「義弟がカツアゲ魔になった原因は嫂がナマイキだからよ!!」
オツボネが言うた言葉を聞いた従業員さんBが右足でオツボネをけとばした。
(ドカッ!!)
「なにするのよ!!」
「カツアゲ魔はあんた方の義弟のことよ!!」
「うちの義弟はまじめなサラリーマンよ!!」
「ウソばかり言われん!!」
「あんたの義弟はサラリーマンだけど、のうなしでこづかい程度しか稼げん契約社員でしょ!!」
「のうなしだから正社員になれんのよ!!」
「うちの義弟のどこがのうなしよ!!」
「はぐいたらしいわねクソバカオツボネ!!」
「あんたのオツボネが原因でダンナが毎晩キャバに行くようになったのでしょ!!」
「そう言うオツボネこそ、鏡に自分のツラを写しなさいよバカ!!」
「何よあんたたち!!」
「ケンカ売る気ね!!」
「買ったわよ!!」
このあと、4人のパート従業員さんたちとオツボネは女同士のいびつな乱闘を店内で繰り広げた。
またところ変わって、福山市柳津町の貯木場になっている港湾にて…
徳広は、ものすごくつらい表情で海をながめながら考え事をしていた。
永眞と温大の挙式披露宴の翌日から家族の間でギクシャクが生じた…
温大はお嫁さんをもらえたから、温久と新月はガマンしてもらう…
温大が大学で研究しているが、なんの研究をしているのか…
研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究…
温大はナマクラだ…
ワシラは…
研究の成果が認められて、表彰式で表彰された翌日に松永へ帰れと言うた…
笠岡の鋼板工場は終身雇用で安定した収入があってコンスタントに動けるといよんのに…
温大は寝ぼけやがって…
ふざけるな!!
(ビュー…ポチャ…)
ブチ切れた徳広は、近くにあった石を海に投げつけた。
海に落ちた石は、小さい水しぶきをあげた。
(ブロロロロ…キーッ…)
それから2分後であった。
港湾の空き地に、黒のキャデラックが停まった。
車の中から、チンピラ風の男が降りた。
男は、黒のヤキソバヘア…俳優の佐藤蛾次郎さんみたいな髪の毛で黒のサングラスをかけていてももけた(ボロボロの)ハラマキ姿で黒の地下足袋を履いていた。
男は、四国にある暴力団組織・田嶋組に出入りしている商人・竹宮豊国であった。
竹宮は、車を降りたあと港湾でしょぼくれている徳広のもとへ向かって歩いた。
徳広のもとにやって来た竹宮は、気色悪い声で徳広に声をかけた。
「おやおや、これは村前のダンナ〜」
「(徳広、ものすごくつらい声で言う)なんでしょうか?」
「ダンナ、ここでなにしていたのですか?」
「あんたにはカンケーないことだ!!」
徳広は、竹宮に対してつきはなす声で『冷やかしに来たのであれば帰れ!!』と言うたあと、近く落ちていた石を手にした。
徳広は、手にした石を海に投げつけた。
(ポチャ…)
石が落ちた部分に小さい水しぶきがあがった。
竹宮は、気色悪い声で徳広に言うた。
「まあまあ、そんなに怒らんと…」
徳広は、ものすごく怒った表情で竹宮に言うた。
「あんたは、オレをグロウしとんか!!」
竹宮は、気色悪い声で徳広に言うた。
「まあまあダンナ、そんなに目くじらを立てたらしんどいでしょ…」
「帰ってくれ!!」
徳広は、ものすごく怒った声で竹宮に言うた。
竹宮は、ものすごく気色悪い声で徳広に言うた。
「ダンナ、せっかくお会いできたのに『帰ってくれ…』はないでしょう…せっかくお会いしたのだから、一緒にうどん食いに行こや〜…わしも、あんたに聞いてほしいグチがよぉけあるんよ…」
徳広は、しぶちんの表情で『わかったわよ…』と言うたあと竹宮について行った。
徳広と竹宮が車に乗り込んだあと、車は港湾から出発した。
その後、車は福山市の外へ出たあと遠方へ向かったようだ。
(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン…)
時は、夕方6時20分頃であった。
温久は、JR岡山駅から山陽本線の各駅停車の下り電車に乗っていた。
スーツ姿で黒の手提げを持っている温久は、ものすごく怒った表情を浮かべていた。
月火水木金は、松永の家と岡山市の職場の間を往復するだけの暮らしを送っている温久の気持ちは、ヒヘイしていた。
永眞と結婚したあとも大学で研究を続けている温大が気に入らない…
研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究…と言うて温大が寝ぼけている…
その時の学費と仕送りは陸上自衛隊のコーコーと海上保安大学校で貯めたおカネを全部使った…
研究の成果が認められて表彰された翌日から態度がえらそうになった…
研究の成果が認められたので、好きなカノジョにプロポーズして結婚を決めた…
ふざけるな!!
オレは…
温大のために犠牲になった…
あの時、温大がカノジョを連れてうちにあいさつに来た時…
周囲はお兄ちゃんだからガマンしてくれと言うた…
だからオレは…
温大のためにガマンしたのだ…
周囲がガマンしたら幸せになれると言うたから、オレはガマンしたんや…
ガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンして…
オレは温大のためにぜーーーーーーんぶガマンした!!
カノジョとの結婚が破たんしたあと、温大は変わると思っていたが…
地元の大学で研究をつづけると言うたので…
さらにガマンを強いられた…
もう許さない…
温大は一生うらんでやる!!
温久は、右手で作ったこぶしを激しく握りしめながら怒りに震えた。
電車は、夕方6時半頃にJR松永駅に到着した。
電車を降りた温久は、改札を通って駅の外へ出たあとものすごくつらい表情で家へ向かって歩いた。
時は、夜7時10分頃であった。
ところ変わって、家のダイニングキッチンにて…
ダイニングテーブルの上には、永眞がフジグランで購入したソウザイが並んでいた。
テーブルには、温久としのぶが座っていた。
ダイニングキッチンにいる永眞は、今朝方作ったみそしるを温め直していた。
徳広と温大と麿人は、まだ帰宅していなかった。
そんな時に、チャラい格好をした新月が帰宅した。
ダイニングテーブルに座っていた温久は、チャラい格好をしている新月に対して、テーブルに置かれていたコバチを投げつけた。
コバチは、新月の頭にあたった。
(ガツーン!!)
コバチをぶつけられた新月は、温久の右腕をグーで殴りつけた。
「オドレ新月!!」
(ドカッ!!)
ブチ切れた温久は、右足で新月をけとばして倒した。
ブチ切れた新月は、ものすごく怒った声で温久を怒鳴りつけた。
「何するんだよ!!」
「はぐいたらしいんだよ新月!!」
「ふざけるな!!」
(ガツーン!!ガツーン!!ガツーン!!)
新月は、温久の右腕をグーで3回殴りつけた。
殴られた温久は、するどい目つきで新月をにらみつけながら『明日おぼえとけ!!』と言うたあと、食卓から出ていった。
ダイニングキッチンにいた永眞は、部屋に戻ろうとしている温久に対して困った声で言うた。
「義兄さま、もうすぐごはんができます…義兄さま…」
「だまれ!!クソナマイキ女!!」
(ドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドス…バーン!!)
思い切りブチ切れた温久は、ドスドスと音を立てながら床を歩いて部屋へ向かった。
部屋に入ったあと、よりし烈な怒りを込めてドアをしめた。
それから1分後であった。
しのぶが新月に対して怒った声で言うた。
「新月!!」
「なんだよぅ~」
「今からおかーさんと大切な話をするから、となりの部屋に行きましょう!!」
「なにが大切な話だ!!ふざけるな!!」
「新月!!」
しのぶは、新月を連れてダイニングのとなりにある8畳の和室へ移動した。
場所は変わって、8畳ひとまの和室にて…
しのぶと新月は、和室のテーブルに向かい合って座って話をすることにした。
しのぶが座ったあと、新月に対して怒った声で言うた。
「すわりなさい!!」
「なんだよぅ~」
「すわりなさいと言うたらすわりなさい!!」
しのぶに怒鳴られた新月は、ものすごくつらい表情を浮かべながらしのぶの向かい側に座った。
しのぶは、ものすごくあつかましい声で新月に言うた。
「新月!!お前はまた今津町の来住田の家に行ったみたいね!!」
「(居直った声で)ああ、行ったよ…」
「おかーさんはあんたに対してお向こうの家のご家族がものすごく困っているから行かれんと言うたのよ!!」
「聞いてねえよ!!」
「新月!!」
ブチ切れた新月は、席を立ったあと右足で席をけとばしながら言うた。
(ガーン!!)
「ふざけるなよ!!大切な話大切な話大切な話大切な話大切な話大切な話…聞くだけでもうざいんだよ!!」
ブチ切れたしのぶは、新月を怒鳴りつけた。
「座りなさい!!」
新月が再び座り直したあと、しのぶはものすごくあつかましい声で新月に言うた。
「新月は今の今までの間に女性関係のもめごとを何度起こしたのか…もう一度数えなさい!!」
「おぼえてねーよ!!」
「新月!!」
「はぐいたらしいんだよ!!大切な話大切な話大切な話大切な話大切な話大切な話…あんたが言う大切な話なんかうざいんだよボケ!!」
「おかーさんは、新月がいい子になってほしいからいよんよ!!」
「あんたが言う『いい子』と言うテイギが分かんねーんだよ!!」
新月からそのように言われたしのぶは、ものすごくあきれた声で言うた。
「ああもうなさけないわね…おかーさんは、新月がいい子になるために一生懸命になったのよ…」
「どこがや!!それじゃあ、オレに好きなカノジョがいない方がいい子になれるのかよ!!」
「おかーさんはいい子になってほしいからいよんよ!!」
「はぐいたらしいんだよ!!あんたの言うことはグチャグチャや!!いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子いい子…あんたの理想はなんだよ!!」
「おかーさんの言うことを聞きなさい!!おかーさんは新月にいい子になることがたった一つの夢なのよ!!」
「はぐいたらしいんだよボケ!!」
その時であった。
ふたりの怒鳴り声を聞いた永眞が和室にやって来た。
「おふたりともやめてください!!ガーガーガーガーガーガーガーガーおらびあっていたら、話し合いができなくなりますよ!!」
永眞の言葉を聞いたしのぶは、ものすごく怒った声で言い返した。
「だまりなさい!!うちにメイレイする気かしら!!」
永眞は、ものすごくつらい声でしのぶに言うた。
「メイレイなんかしていません!!お腹が空いている状態ではおだやかに話し合いをすることができません!!大切な話をしたいのであれば晩ごはんを食べてからにしてください!!」
永眞から言われたしのぶは、怒った声で新月に言うた。
「晩ごはんを食べたあと、大切な話をします…」
その後、しのぶと新月は永眞と一緒にダイニングテーブルへ行った。
場所は、ダイニングキッチンにて…
しのぶが先にダイニングテーブルに座った。
しかし、新月は座らなかった。
しのぶは、困った声で新月に対して『座ったら?』と言うた。
新月は、怒った声で言うた。
「なんや!!なんやこれは!!」
しのぶは、困った声で新月に言うた。
「おかーさんは、ごはんを食べなさいと言うたのよ…」
新月は、ものすごく怒った声でしのぶに言うた。
「ふざけるな!!もういっぺんいえ!!」
「(困った声で)おかーさんはごはんを食べなさいと言うたのよ…」
「はぐいたらしいんだよ!!ごはん食べなさいとはなんや!!」
ブチ切れた新月は、しのぶに対してコバチを投げつけた。
コバチは、しのぶの右肩にぶつかった。
しのぶは、ものすごく泣きそうな声で新月に言うた。
「なんでそんなに怒るのよ…おかーさんはおだやかに話し合いがしたいのよ…」
「おだやかに話し合いができない原因を作ったのはあんたや!!」
「おかーさんはおだやかに話し合いがしたいからごはんを食べようと言うたのよ…いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい!!」
ブチ切れた新月は、しのぶの髪の毛を思い切りひっぱった。
永眞は、新月に対して『やめて!!』と叫んだ。
ブチ切れた新月は、怒りのほこ先を永眞に変えた。
新月は、永眞に対してよりし烈な暴行を加えた。
しのぶは、両手で耳をふさぎながら首を横にふった。
やめて…
お願いだからやめて…
家が壊れるからやめて…
またところ変わって、JR松永駅の北口にある居酒屋にて…
時は、夜10時50分頃であった。
麿人は、ものすごくつらい表情でのんだくれていた。
テーブルの上には、えびチリ・マーボードーフ・ユッケなど…激辛料理ばかりがならんでいた。
ユーセンのスピーカーから、岩佐美咲さんの歌で『鞆の浦慕情』が流れていた。
麿人は、温大と永眞の挙式披露宴の翌日以降、まっすぐ家に帰らなくなった。
麿人は、職場を出たあとこの店に来て浴びるように酒をのんでいた。
時には、深夜4時半頃までここにいる時もある…
今の麿人は、伯母夫婦の家族と仲良く暮らして行くことができない…
一刻も早く自立したい…
…………
麿人は、より激しいジレンマに苦しんでいた。
そんな時であった。
メイテイ状態におちいった麿人は、となりに座っている男性客がのんでいたサッポロ黒ラベルのびんを手にしたあと自分のタンブラーにビールをつごうとした。
この時、麿人はとなりの男性客とトラブってしまった。
「オドレクソガキ!!」
「なんだよぅ~」
「オレがのむビールにてぇつけるな!!」
「のみてーんだよ~」
「ほんなら注文せえ!!」
男性客から怒鳴られた麿人は、右となりに座っている男性客がのんでいた黒ラベルのびんを手に取った。
そして…
(ガシャーン!!)
麿人は、男性客の頭をビールびんで殴りつけたあと右足でけとばして倒した。
倒れた男性客は、よりし烈な声をあげた。
「なにしやがる!!」
「オドレが先にいちゃもんつけて来たからやっつけた!!」
「なんやコラ!!」
「ぶっ殺してやる!!」
「ジョートーじゃあ!!」
このあと麿人は、店内で複数人の男性客たちと大規模な乱闘を繰り広げた。
その際に、麿人は7〜8人の男性客を持っていたナイフで斬りつけて殺した。
その後、麿人は店から逃げ出した。
「待て!!」
「待てコラ!!」
このあと、10人の男性客たちが外へ出たあと麿人を追いかけた。
麿人は、この日を境に村前に帰らなくなった。
日付が変わって、7月19日の深夜3時半頃であった。
またところ変わって、家のダイニングキッチンにて…
ダイニングテーブルには、しのぶがひとりで座っていた。
テーブルの上には、なにも置かれていなかった。
そんな中であった。
徳広がものすごくつらい表情で帰宅した。
しのぶは、ものすごくあつかましい声で徳広に言うた。
「あなた!!」
「なんぞぉ~」
「今、何時だと思っているのよ!!」
「知らん…」
「あなた!!」
「(徳広、ものすごくめんどくさい声で言う)なんぞぉ~」
「(しのぶ、ものすごく怒った声で言う)そこへ座ってよ!!」
徳広は、ものすごくめんどくさい表情でしのぶが座っている向かい側の席に座った。
しのぶは、よりし烈な怒りを込めて徳広を怒鳴りつけた。
「あなた!!」
「なんぞぉ~」
「また新月が来住田のおくさまに手を出したのよ!!」
「だから、オレにどうしろと言うんぞ〜」
「新月をしわいてよ!!」
「だから、なんでオレが新月をしわくんぞ〜」
「新月がいい子になるためにはしわくしかないのよ!!」
「おい、落ち着けよ~」
「はぐいたらしいクソバカテイシュね!!」
よりし烈な声で徳広を怒鳴りつけたしのぶは、よりし烈な怒りを込めて徳広を攻撃した。
「新月が女性がらみのもめごとを起こすようになった原因は、全部あんたにあるのよ!!」
「なんでオレのせいだよぅ〜」
「あんたが35年前に女性従業員さんにセクハラした…女性従業員さんをはらませたことが原因で婚約者の男性が自殺した…あんたのセクハラのせいでうちら家族がどんな思いをしたのか…あなたは全く分かっていないわよ!!」
「分かっているよ…」
「その前におかしたセクハラが原因で、温久が全日制高校に行けなくなったのよ…温久が陸上自衛隊のコーコーに変更された原因はあんたにゼーーーーーーーンブあるのよ!!クソバカテイシュ!!」
しのぶからボロクソに怒鳴られた徳広は、ものすごく困った声でしのぶに言うた。
「ほんならどうしろと言いたいんぞ〜温久が全日制高校に行けなかったことがそんなにいかんのか?」
「(しのぶ、ものすごく怒った声で徳広に言う)ええ、その通りよ!!」
「(徳広、ものすごくめんどくさい声で)陸上自衛隊のコーコーと海上保安大学校にいた時に貯めたおカネはどうしたんぞぉ〜」
「それらのおカネは、あんたのセクハラの被害を受けた女性従業員さんに対する慰謝料と温大のワガママに使われたからコカツしたのよ!!温久の貯蓄をあてにするだけあてにしといて、逃げるなんてヒキョウよ!!」
「逃げてなんかいないよぅ〜」
「はぐいたらしいクソバカテイシュね!!温久にお嫁さんが来なくなった原因と新月が人妻さんにいやたいことをするようになった原因はぜーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんぶあんたにあるのよ!!クソバカムシケラミミズテイシュ!!約立たず!!ミズムシ!!インキンタムシ!!くさい!!…約立たずのクソバカテイシュ!!」
しのぶは、よりし烈な声で徳広を怒鳴りつけた。
徳広は、泣きそうな声で言うた。
「もういいよ…オレのことをそこまでボロクソに言うのかよ…オレは約立たずだよ…ミズムシとインキンタムシが感染ると言うのかよ…なんでぇなんでぇなんでぇなんでぇ…」
(ドカッ!!)
ブチ切れたしのぶは、よりし烈な怒りを込めて徳広の背中を右足でけとばした。
けとばされた徳広は、なにも言わずにダイニングから立ち去った。
ところ変わって、徳広が使っている6畳ひとまの部屋にて…
うすぐらい灯りが灯る部屋に敷かれている京都西川(フトンメーカー)の羽毛布団の上にペタンと座り込んだ徳広は、ぼんやりとした表情であたりを見渡しながらつぶやいた。
なんだよぅ…
この家の家族は…
よってたかってオレをいじめるのかよ…
「うううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう…ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう…」
徳広は、ものすごく女々しい声で泣きながらつぶやいた。
こんなはずではなかった…
思い描いていた家族生活を送ることができなくなった…
村前も終わりだ…
もうだめだ…
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