10人が本棚に入れています
本棚に追加
第10話
それから2日後の9月15日の午後3時過ぎであった。
またところ変わって、広島市南区の比治山公園のすぐ近くにあるマックスバリュ(スーパーストア)にて…
実可子は、ここでパート勤務をしていた。
この日、実可子は気分がものすごく悪かったのであがる(はやびけする)ことにした。
思うように働くことができない…
しんどい…
つらい…
身体がものすごくだるい…
場所は、ロッカールームにて…
ものすごくつらい表情を浮かべている実可子は、制服を脱いで普段着に着替えようとしていた。
この時であった。
15時アップの女性従業員さんがロッカールームに入った。
女性従業員さんは、実可子に声をかけた。
「実可子さん。」
「あら、野々江の奥さま。」
「実可子さん。」
「何よぉ〜」
「まだアップの時間じゃないのに、なんであがるのよ?」
「しんどいからあがることにした…」
「しんどいって?」
「身体のあちらこちらが悪いのよ…この最近、家庭内の家族関係が悪くなったみたい…竜興は偏差値がよくないから高校はよりむずかしくなった…と担任から言われたのよ…だから…どうしようかと頭いためているのよ…」
「それじゃあどうするのよ?」
「どうするのよって…」
「入試は受けないの?」
「無理よ…担任が高校あきらめなさいと言うたから、入試を受けることはできん!!」
「そう…それなら仕方ないわね…それだったら、遅い子のペースで授業をする高校を選んだらいいわよ…知ってる人に受け入れ可能かどうか聞いとくから…」
女性従業員さんの言葉に対して、実可子はつらい声で答えた。
「できたらそうしたいわよ…けれど…それが原因で竜興がきついイジメにあうかもしれない…だから…」
「それじゃあ、どうするのよ?」
「わかんない…」
「それじゃあ、この話はいったんやめとくわ…話かわるけど…ヨリイの奥さまのことでなにか聞いてない?」
「えっ?聞いてないけど…」
「ヨリイの奥さま、ここ数日の間一度も出勤していないのよ…」
実可子は、おどろいた声で言うた。
「えっ?ヨリイの奥さまが1日も出勤していないって?」
女性従業員さんは『そうよ。』と言うたあと決めつけ言葉を言うた。
「ヨリイの奥さまは勤務態度が悪いから、大事な家族をふたり殺されたのよ。」
「奥さま、それはどう言うことでしょうか?」
「だから、ヨリイの奥さまがコーマンチキだから大事な家族を殺された…と言うことよ。」
「ヨリイさんの奥さまがコーマンチキって?」
「実可子さんはなにも知らなかったの?」
「なにも知らなかったの?…って…」
「おとといヨリイのダンナが交通事故で亡くなった…きのうは、三篠川の中洲で娘さんが遺体で発見された…のよ。」
実可子は、ゼックした表情で言うた。
「ヨリイさんのダンナさんが交通事故で亡くなった…娘さんが三篠川の中洲で…遺体で発見された…」
女性従業員さんは、決めつけ言葉をペラペラと言いまくった。
「だからヨリイの奥さまは痛い目に遭ったのよ…だけど、本人は痛くもかゆくもないと思っているからなお悪いみたいね。」
「痛くもかゆくもないと思っているからなお悪い…って?」
「ヨリイの奥さまは頭がぼろいと言うことよ!!」
実可子と女性従業員さんがうわさ話をしていた時であった。
制服が収納されているクローゼットの中に竹宮が隠れていた。
竹宮は、ちびたえんぴつでメモを取りながら実可子と女性従業員さんの会話を聞き耳立てて聞いていた。
外にいるふたりは、そんなことはつゆ知らずにうわさ話を繰り広げた。
「それほんとうなの?」
「ほんとうにほんとうよ…ヨリイの奥さまは、マタハラの被害を受けたことをだしにしてゴーユーザンマイを繰り広げていたみたいよ。」
「それほんとうなの?」
「ほんとうにほんとうよ…この最近だけど、ヨリイの奥さまのインスタとティックトック(SNS)にど派手な写真がヒンパンにアップされていたわよ。」
「たとえば?」
「テニスの例会とか豪華なレストランでランチとか…きょうね…ヨリイの奥さまのインスタに『最高級のカルティエのウォッチを買いました〜…カレが買ってくれた〜』と言う写真がアップされていたわよ。」
「そんな〜」
「あの様子だと、ヨリイの奥さまはここ(マックスバリュー)を勝手にやめるみたいよ。」
「ウソでしょ〜」
「ヨリイの奥さまは勝手にここやめてもなんとも思ってないけど、そうはさせないわよ!!」
「奥さま、ヨリイの奥さまが他に抱えていたトラブルはあったの?」
実可子の問いに対して、女性従業員さんは怒りを込めて答えた。
「あるわよ!!ヨリイの奥さまは、うちらからよぉけおかねを借りていたのよ!!」
クローゼットに隠れている竹宮は、ちびたえんぴつでメモ書きをしながら小声で言うた。
「従業員同士のカネの貸し借りがあった…」
(カキカキカキカキカキカキカキカキカキカキ…)
女性従業員さんは、よりし烈な怒りを込めながらことの次第を話した。
「ことの始まりは、数年前のある日のことだったわ…ヨリイの奥さまの被害を多く受けた人は奈良之木さんだったわ…ヨリイの奥さまは、カネに困っている時には奈良之木さんのもとへ行ってたのよ…大至急まとまったおカネがいるから言うて10万円かしてくれと言うたのよ…奈良之木さんは、ヨリイの奥さまの気持ちをくんで10万円を貸したのよ…ヨリイの奥さまは、2〜3日後に返すと奈良之木さんに言うたのよ…だけど、ヨリイの奥さまは1円も返さなかった…奈良之木さんはヨリイの奥さまにいつになったら10万円を返すのかとサイソクしたのよ…だけど、ヨリイの奥さまは『そのうちに返す』とか『あと3日待って』…などと言うて先延ばしにしていたのよ。」
「それで、ヨリイの奥さまは奈良之木さんからおかねを借りたあとなんに使っていたのかな?」
「子どもにものを買うおかねといよったわ。」
(カキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキカキ…)
クローゼットに隠れている竹宮は、ちびたえんぴつでメモ書きをしながら小声で言うた。
「人から借りた金で子どもにものを買った…そんな悪いことしたから娘をころされたんだよ…」
女性従業員さんは、ひと間隔おいてから実可子に言うた。
「人から借りた金で子どもに贈るプレゼントを買った…そのプレゼントを受け取った子どもはよろこばないわよ!!…そう言うせこいことしたから娘はユウカイされて殺されたのよ!!」
竹宮は、小声で『その通りや…』と言いながらメモ書きをした。
「その通りや…」
女性従業員さんは、よりし烈な怒りを込めながらこう言うた。
「ヨリイの奥さまは、自分の娘とダンナに対してもうしわけないことをしたとは思ってないわよ!!」
「話しかわるけど、ヨリイの奥さまに金をヒンパンに貸していた奈良之木さんは…その後どうなったの?」
「奈良之木さんは、ヨリイの奥さまのせいで急死したわよ。」
「急死!?」
「そうよ!!ヨリイの奥さまは、奈良之木さんだけではなく、複数の従業員さんたちから金を借り入れていたわよ。総額は、15億円よ!!」
「15億円!!」
「そのうち、14億9800万円は奈良之木さんに集中していたのよ…奈良之木さんがジャンボ宝くじで一等と前後賞を当てた時に得た大金だった…ヨリイの奥さまは『あやかりたい…』と言うて奈良之木さんにカツアゲしたのよ!!」
「カツアゲ…」
女性従業員さんは、さらにし烈な怒りを込めながらこう言うた。
「ヨリイの奥さまにカツアゲを指示した人間は誰か知ってるわよ!!…ヨリイの奥さまにカツアゲを指示したのは、ダンナよ!!」
「ヨリイさんのダンナさんが奥さまにカツアゲを指示していたって!?」
「ええ!!その通りよ!!間違いないわよ!!」
この時であった。
数人の女性従業員さんがロッカールームに入った。
そのうちの一人がふたりになんの話をしていたのかと言うた。
「ねえ、なんの話をしていたのよ?」
「ヨリイの奥さまが抱えているお金のトラブルよ!!」
そしたら、数人のうちのひとりが怒った声で『ああ!!思い出した!!』と言うたので、うわさが拡大した。
「どうしたのよ?」
「うちも、ヨリイの奥さまに金を貸した!!」
「どれくらい?」
「100万よ!!」
「100万!?」
「そうよ!!車検代が少し増えたから100万貸してと言うた…ところが…車検代と言うのはウソで、ほんとうは前々から欲しかったカルティエの腕時計を購入していたのよ!!」
「なんなのよ一体!!」
「ヨリイさんはおんまくふざけているわ!!」
「ええそうよ!!」
「ヨリイさんにカツアゲを指示したダンナはもっと悪よ!!」
「リバースモーゲージの契約者の娘さん夫婦と息子さん夫婦の家族を殺して金品を強奪した事件を犯したと言うイキサツがあるから、ヨリイさんにカツアゲを指示したのよ!!」
「ますます許せないわね!!」
「ヨリイさんのダンナの親類縁者のおばが母子保護施設を運営しているなど…いい肩書がたくさんあったみたいね!!」
「ヨリイさんのダンナがカツアゲ魔になった原因は、ダンナの親類縁者たちにぜーんぶあるのよ!!」
「そうよね!!」
「ヨリイさんのダンナは、カツアゲの他にも職場の女性従業員さんに対してマタハラを犯したし、レイプ殺人も犯した…うちらは絶対にこらえへん!!」
「全くその通りよ!!」
「ああ!!むしゃくしゃしてきたわね!!」
「もう許さないわよ!!」
従業員さんのひとりが思い切りブチ切れたようだ。
思い切りブチ切れた女性従業員さんは、ヨリイくんの奥さまが使っているロッカーをこじ開けた。
「やっぱりそうだったわね!!」
「人から借りた金を使って、高価な物を買っていたのね!!」
「絶対に許さない!!」
ブチ切れた女性従業員さんたちは、ヨリイくんの奥さまが使っているロッカーの中に入っていた品物を次々と強奪した。
(ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ!!)
その後、ヨリイくんの奥さまが使っていた制服がカッターナイフでズタズタに切り裂かれた。
クローゼットに隠れている竹宮は、ちびたえんぴつでメモ書きをしながら『ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ…』と嗤いまくった。
時は、夜9時過ぎであった。
またところ変わって、八丁堀の三越デパートの裏手にある酒場街にて…
ナイトクラブの看板とネオンの灯りがきらめく通りに、大勢の人たちが往来していた。
通りのスピーカーから、ニジユーの歌で『ジョイフル』が流れていた。
この時、スーツ姿の秀祝が愛人と一緒に通りを歩いていた。
愛人は、年齢は24〜25歳くらいで110のKカップの極爆乳のコであった。
秀祝は、愛人に対してつらい声で『むなしい…』と言うた。
愛人は、秀祝に対して切ない声で言うた。
「つらかったのね…よしよし…」
「むなしいよぅ…家に居場所がなくなった…家族との関係が悪くなった…仕事をなくしたから…生きる気力がなくなった…」
「よしよし…」
秀祝は、このあとも愛人に愛を求め続けた。
それから15分後であった。
秀祝と愛人は、車に乗ってうんと遠くへ向かった。
日付が変わって、9月16日の深夜1時半頃であった。
またところ変わって、山陽新幹線と錦川鉄道の新岩国駅から少し離れた場所にある高架橋下にて…
高架橋下に、秀祝と愛人が乗っているマツダMPV(ミニバン)が停まっていた。
車内にいるふたりは、激しく身体を求めあっていた。
ふたりは、全裸で抱き合っていた。
「ああ、ああ、ああ…」
「よしよし…極爆乳が欲しかったのね…」
秀祝は、愛人のKカップの極爆乳を激しくむさぼりながら泣いていた。
「ママ、ママ、ママ、ママ、ママ…」
「よしよし、よしよし、よしよし…」
ふたりは、約300分に渡って激しく求めあった。
その結果…
(ブチッ…)
この時、秀祝の脳の血管が切れる音が響いた。
その後、秀祝の呼吸が停まった。
それから数分後に、秀祝の身体が硬直した。
それから数時間後であった。
(カシャ、カシャ、カシャ…)
車の付近で、シャッター音が聞こえた。
この時、竹宮が秀祝と愛人のえげつない死に方をしていた様子をデジカメで撮影していた。
デジカメで撮影していた竹宮は、撮影を終えたあと『ヒヒヒヒヒヒヒヒ…』と嗤いまくった。
最初のコメントを投稿しよう!