9人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
第５話
時は、９月２日の正午頃であった。
ところ変わって、広島市中区中町にある全日空ホテルにて…
この日、ホテルでは恋愛結婚のカップル一組の結婚披露宴がとりおこなわれる予定であった。
結婚披露宴の主役は、片島起史（28歳）と大学で知り合った女性（26歳）である。
起史は、東京の大学にいた時に取り組んでいた研究の成果が世に認められたので表彰された…
そして、大学で知り合った女性と晴れの日を迎えることができた…
起史は、しあわせいっぱいに包まれていた…
そんなしあわせいっぱいになっている中で深刻なもめごとが発生した。
話は、結婚披露宴の前半が終わった頃であった。
この時、ビュッフェスタイルのランチタイムになっていた。
出席者は、女性の家の親類縁者さまたちと大学にいた時の共通の友人知人さまたちと女性の高校時代の友人知人さまたちだけであった。
起史の親きょうだいと親類縁者さまたちは、披露宴場にはいなかった。
この時、女性は披露宴場にいなかった。
起史は、あたりをキョロキョロ見渡しながら心配していた。
そんな中で、深刻なもめごとが発生した。
結婚披露宴場に起史の両親・片島富士夫そのみ夫婦と兄・秀祝（35歳）が突然やって来た。
起史の大学時代の友人のひとりが起史に対して『親御さんが来てるよ…』と教えたが、それを聞いた起史が思い切りブチ切れた。
片島の家の人間はシャットアウトしたのに…
ふざけるな!!
この時、起史のそばにいた女性の祖父が『おとーさんとおかーさんがお祝いに来てくれたのに…』とつらい声で起史に言うた。
それが原因で、起史はよりし烈な怒りを爆発させた。
ところ変わって、披露宴場の外にて…
ブチ切れた起史は、富士夫を突き飛ばして倒したあと『オドレら帰れ!!』と怒鳴りつけた。
そのみは、起史に対して怒った声で言うた。
「起史!!なんでおとーさんを突き飛ばしたのよ!!」
「ぼくと（花嫁さん）の結婚に言いがかりをつけたから突き飛ばした!!」
「起史!!」
「オドレら帰れ!!」
この時、そのみの横にいた秀祝がよりし烈な怒りを起史にぶつけた。
「オドレ起史!!」
「なんだよ兄!!」
「オドレは大学でどんな研究しよったんぞ!!研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究…研究と言う言葉を聞くだけでも頭に来るんだよ!!」
この時、もめごとを聞いた女性の祖父がやって来た。
祖父は、ものすごくつらい声で起史と秀祝のケンカを止めながら言うた。
「やめるんだ!!（マゴ）の晴れの日にいびつなケンカをするな!!」
女性の祖父がケンカを止めたことに対して、そのみが怒った声で言うた。
「（花嫁さんの）祖父!!なんでいらんことするのよ!!」
「わしは止めただけじゃ…」
「だからなんで止めたのよ!!」
「おだやかに話し合いをしてほしいから止めたんじゃ!!」
秀祝は、よりし烈な怒りを込めて言うた。
「オドレは、うちらにメイレイする気か!!」
そのみは、ものすごく怒った声で女性の祖父に言うた。
「おだやかに話し合いすることができん原因を作ったのは起史なのよ!!起史のせいで秀祝がどれだけガマンしたか…と言うのが分からないのよ!!」
「しかしだな…」
「秀祝はガマンを強いられたのよ!!大学は行ったけれど、コンパもサークルも…楽しいことはせーーーーーーーーーーーんぶガマンしたのよ!!」
「ガマンしたって…」
秀祝は、よりし烈な怒りを込めて女性の祖父に言うた。
「オレは、ゼミの単位を取ることだけに集中していたから楽しいことができんかった!!それなのに起史は華のキャンパスライフをマンキツしまくった!!だから許せない!!」
「兄さん、あんまりだよ…」
秀祝は、よりし烈な怒りを込めて起史にぶつけた。
「ふざけるな!!えらそうにしやがって!!研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究研究…オドレのせいだ!!オドレのせいだ!!」
（ガツーン!!）
ブチ切れた秀祝は、グーで起史のこめかみを殴りつけた。
「なんでぼくを殴るのだよ!!」
「ふざけるな!!オドレが大学で知り合った女性と恋愛結婚したことが不満だから殴った!!」
「あんまりだよ!!」
「だまれ!!」
（ガツーン!!ガツーン!!ガツーン!!）
よりし烈な怒りに震えている秀祝は、起史に対して殴るけるの暴行を加えた。
その後、秀祝は、友人と一緒に戻って来た女性にも殴るけるの暴行を加えた上に、起史の大学時代の友人知人たちや女性さんの高校時代の友人知人や恩師たちや女性の親類縁者さまたちにもどぎつい暴行を加えた。
起史のせいだ…
起史ひとりのせいで、人生が大きく狂った…
ふざけるな!!
よりし烈な怒りに震えている秀祝は、わけのわからない言葉を言いながら披露宴場で暴れまわった。
その結果、女性は、起史と結婚することをやめてしまった。
時は、その日の夜10時過ぎであった。
ところ変わって、紙屋町西にある居酒屋にて…
起史は、カウンターの席で酒をのんでいた。
結婚披露宴をめちゃくちゃにされた起史は、よりし烈な怒りに震えていた。
大学で取り組んでいた研究が世に認められて、表彰された…
研究所の主任に選ばれた…
すべてがジュンチョーに行ってたのに…
片島のもんのせいで…
なにもかもがわやになった…
よりし烈な怒りに震えている起史は、となりに座っている男性客がのんでいたサッポロ黒ラベルのびんに手をつけた。
となりに座っている男性客が怒った声で起史に言うた。
「おいコラ!!コラといよんのが聞こえんのか!!」
「なんだよぅ〜」
「人がのんでいる酒を取るんじゃねえよ!!」
「ふざけるなクソバカヤロウ!!」
（ドカッ!!ゴツーン!!）
ブチ切れた起史は、右足で男性客をけとばして倒した。
起史にけとばされた男性が《きゃく》は、頭を強く打ち付けた。
「頭がいてーよ…」
この時であった。
近くの席に座っていた４人の構成員たちが起史に詰め寄った。
「コラクソガキャ!!オドレはどこの組織の構成員や!!」
「ふざけるな!!ぶっ殺してやる!!」
よりし烈な怒りに震えている起史は、４人の構成員たちと大乱闘を繰り広げた。
乱闘は、約40分に渡ってつづいた。
その末に…
（ガシャーン!!）
起史は、近くにあった硬い瓶で４人の構成員の頭を殴りつけたあと店から逃げ出した。
４人のうち、３人が即死した。
残りのひとりは、ひびが入ったスマホで電話をかけた。
「竹宮〜…かたきを討ってくれ…（起史がいる東京の）大学にやられた…」
電話をかけていた構成員も力尽きた。
ひびが入ったスマホから、竹宮の叫び声が響いた。
「おい!!どうした!!おい!!なにがあったのだ!!返事しろ!!」
日付が変わって、９月３日の深夜１時過ぎであった。
ところ変わって、西十日市町の通りにて…
居酒屋で乱闘を起こした起史は、あちこち逃げ回った末にここにたどり着いた。
この時、起史は天満川沿いにある市道をフラフラとした足取りで歩いていた。
その時であった。
（キーッ!!ドスン!!）
この時、起史は向かいから走ってきたマゼンタのトヨタエスティマにはねられた。
車の中から数人の男と竹宮が降りた。
「アニキ!!」
「なんぞぉ～」
「アニキ!!紙屋町の居酒屋で構成員を殺したクソガキです。」
「おい、このクソガキを急いで車に乗せろ!!」
「へえ!!」
車にはねられた起史は、数人の構成員たちによって車に乗せられた。
竹宮は、構成員たちに不気味な声で言うた。
「おいお前ら…一刻も早くこのクソガキを始末しとけ…」
「アニキは乗らないのですか？」
「わしはそのあたりをブラブラしてくるさかいに…あとはたのむぞ。」
このあと、車は現場から走り去った。
それから数分後であった。
竹宮は、血がついた名刺をズボンのポケットから取り出した。
名刺は、肩書が書かれている起史の名刺であった。
名刺の裏に、研究の成果が認められて表彰されたことなどが書かれていた。
それを見た竹宮は、気色悪い声で言うた。
「研究の成果が世に認められて表彰されたと言うのに…ヤクザと大乱闘を起こしてパーになってもうた…か…ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ…」
その一方で、車にはねられた起史は構成員たちに連れ去られたあと行方不明になった。
最初のコメントを投稿しよう！