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美しい殺人鬼
少し熱を持った街頭の先の
カーブミラーに映る殺人鬼
美しく、無表情なあの姿は、忘れられない。
あれは、誰?
夜中にあの美しいものと目が合った
あの美しい目は…
色や形、記憶の中から取り出そうとも
曖昧ではっきりとは、思い出せない。
さっきまで夜中だったのに、今はもう朝。
ベッドにいるということは、夢だった。
なら、あの美しいものをもう一度見ようと
目をつぶった。
起きたら、昼近くになっていた。
あの美しいものは、見えなかった
せめて忘れないようにと、ノートに書き出そう
とするが記憶がもう、うっすらとしか残って
おらず書き出すには、情報が少なすぎる。
仕方なく起き、お腹が空いたのでリビング
に行くことにした。
顔を洗おうと洗面台に行った。
顔を見た瞬間
「っ、…」
脳が情報の引き出しを無造作にバラバラに
されるような感覚に襲われた。
しばらく頭を押さえながらうずくまった。
そうだあの美しいものは、黒髪だった。
記憶の引き出しを無理矢理
こじ開けられた気分になった。
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