佐川美優

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就職が決まって、 お祝いをしようと誘われて 岸本くんの部屋に行った時、 私は岸本くんがキスをしようとしたのを 避けてしまった。 私を掴む岸本くんの力は弱くて、 簡単にふり解けた。 もしかしたら岸本くんは、 私を自由にしてくれたの? 暁斗くんに会いたい。 今すぐ会いたい。 私は暁斗くんにラインしながら 電車に飛び乗った。 電車の真っ黒な窓に、 雨の水滴が付き始めていた。
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