水仙が咲く場所

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「美都、元気かい?」 「ええ。ようやく少しずつ、一人で出来ることが増えてきたんです」 「そうか、よかった」 『よかった』と口にしながら、兄さまはちっとも笑ってくれません。 「兄さま?よろしければ座りませんか?」  わたくしの隣を指し、兄さまに問いかけます。  兄さまは少し躊躇われた後、そっと隣に座りました。 「兄さまは、どうしてこちらに?」 「おまえがどうしているか、心配だったからだよ」 「心配?それはどのような事?」 「それは……」  口を閉ざし、わたくしから目を逸らしてしまいました。 「兄さまは、嘘がつけないお方ね」
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