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人見史利くんの初恋
「よぉ、人見! お前からメールが届く日が来るとは思わなかったぞ」
近所のマックに呼び出された俺は、見知った顔を見つけて手を挙げる。その瞬間、人見は目をそらし他人のふりを決め込んだ。
「おい、人を呼びつけておいて無視すんじゃねぇ! 俺が『友達いないくせに人気者ヅラしてる痛い奴』みたいな空気になるだろうがよ!?」
俺は観葉植物に同化している人見に向かって語気を荒らげた。
「や、やめろ! 悪目立ちするだろ!? 溶ける、視線で溶ける!」
この『人見史利』と俺はいわゆる幼馴染ってやつだ。
『名は体を表す』を体現した男……とにかくこいつはその名の通り、極度の人見知りなのだ。
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