人見史利くんの初恋

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 だがしかし、そんな人見の恋バナだと!?  精神攻撃よりも好奇心が勝った俺は、気を取り直して話の続きを聞くことにした。 「なんだよ。同じ高校の子か?」 「いや、三橋女子高校(みつはしじょしこうこう)の子なんだけど、バスで毎朝一緒になるんだ……」 「三女(みつじょ)って言ったら、お嬢様じゃねぇか!」  俺は息を呑む。この近辺ではトップブランドの私立女子校だ。当然通う生徒は眉目秀麗(びもくしゅうれい)蓋世之才(がいせいのさい)。『三女に彼女がいる』ってのは男にとってのステータスと言っても過言ではない。 「お前、相手が三女って、いきなりハードル高すぎだろ!?」 「僕にとってはどんな高さのハードルでも、もはや雲の上だから一緒だよ!」  すげぇな、ネガティブが一周回ってポジティブになってる。
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