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「そっか。喜んでくれてよかった」
「うん。ありがとう」……そして、ソウル市内に辿り着くなり、即座に差し替えたSIMカードを駆使して、早速アンスタに投稿。すると秒でいいねがつく。……うちひとつは、身内票だ。
「ちょっと」と梨璃は笑った。「なんでひとが投稿してすぐにいいねするの」
しれっとした顔で桐島は答えた。「だっておれ、梨璃のファンだし」
「ファンねえ……」値踏みするような目を梨璃はよこし、「ファンだったら……あたしにあんなことやこんなこと、しないでしょう?」
周りに飛び交うのは主に韓国語ではあるが。用心深く桐島は顔を近づけると声を落とし、「ファンだけど恋人なんだもん★」
……なんで黒い星が。
ともあれ。
日曜日は、ロッテ百貨店や、東大門市場やカロスキルを見て回る。日本人はやたらと値下げを要求すると既に韓国の店員さんたちは分かっているため、笑顔で応じる。定価の一割二割を下げるのが相場だそうだ。それ以上値下げを求めるのは野暮というもの。
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