☆15. ソウルだぜ

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 アメリカと違ってチップは要らず、サービス料は料金に含まれている。……いいホテルだったな……地下鉄の近くにあって……と梨璃は振り返る。  二日半エネルギッシュに動き回り、そして疲れた頃に。日曜の夕方に、たっぷりの思い出とともに東京へと戻った。たくさんの投稿にコメントやいいねがつき、それらを確認し、返信することも忘れずに。機内では、離着陸以外の時間はWifiが使えるのでお仕事し放題。休日だけれど忙しさをたっぷりと、満喫した梨璃だった。……そして韓国Vlogをまとめるという仕事も残っている。  * * *  桐島は。……満足はしていた。  他方、戸惑う自分を感じるのも確かである。梨璃といったら、四六時中スマホを手放さない。韓国でも、Vlogのためだといって、S〇NYのハンディカムを駆使して。……あれ、自腹で、八万円以上したそうな……そこまでする必要があるのか?  桐島は、高校卒業間近にようやく、携帯電話が普及し始めた世代なので、ガラケー、携帯の過渡期や隆盛を知っている。……そしてふと思う。
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