笑顔が見たいよ【完結】

☆15. ソウルだぜ

　アンスタ映えがすると有名なカフェはやっぱり混雑していて。大人しく、映えスポットにて、写真撮りの行列に並び、また、他の観光客のために撮ってやる。……と、そのうち、ひとりが、梨璃を認識し、写真をねだられまたパシャリ。梨璃のような若者にはセルフィ（自撮り）が一般的だ。桐島が、そりゃそうだよな、こんなおっさんよりも、インフルエンサー梨璃さまに撮って頂いたほうが思い出に残るわな。……そしてこの子たちが、梨璃が男と一緒だった、ということを、言いふらさないよう願うばかりである。

　とまで桐島が考えていることを知らない梨璃は、桐島のセッティングした観光をただ、堪能する。……金曜の夜の便で東京からソウルに乗り付け、ソウル市内の24時間営業よもぎ蒸しサウナにて夜中を過ごし、昼前に、軽く、ホテルで仮眠を取ったのちに、街へ繰り出し、遊びまくる。……ソウルには、必要なものが大概はなんでも揃っている。