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小学校編
通せんぼの記憶
私の中の1番古い記憶は、小学校2年生の頃。当時の私は、勉強が大の苦手で、いつも居残り授業をしていた。
あの日は、天気が良くて、私は居眠りをしてしまい、先生から、1時間のお説教を受ける羽目になり、2人っきりで教室にいた。
そして、先生のお許しを貰って、身支度を整え挨拶をする。
ここまでは、いつもと同じだった。
「先生、さようなら」
「はい、さようなら」
担任の、山木優美(やまきゆみ)先生は、お父さんと同じ年くらいで、結婚し、私たちと同じ年の子供がいる。1年生の頃から、担任だったので、私は山木先生をとても信用していた。
私が通っていた第二学園。2年1組の教室は、南校舎の二階で、隣は5年1組、そのまた隣が5年2組だった。
家に帰ったら友達とゲームをする約束をしていたので、走って5年生側の階段を降りており、前を見ていなかった。
(ドン!)
案の定、前を走っていた5年生のガキ大将、柿永蓮(かきながれん)にぶつかった。
「いってぇな」
蓮先輩は、 私の家の近所に住んでいる有名なガキ大将で、小学生の誰もが恐れている先輩だった。その先輩を怒らせたのだから、後が怖い。
「ご、ごめんなさい」
怖かったけれど精一杯の力を振り絞って謝った。許してくれると思ったのだが、先輩の顔は般若のように恐ろしく、絶対に許してはくれないことを悟った。
「あ?」
やはり、許しては貰えない。何を言われるか怖いよ。
き、聞いてみたら教えてくれるかな?
「あ、あの……」
私がそう言うと、もっと怖い顔をして怒鳴りつけてきた。
「申し訳ございませんだろ?!」
「も、申し訳ございませんでした」
深々とお辞儀をしながら、先輩の方を見るが明らかに許していない。
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