誰もいない静かな世界

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僕の名前は『静流(しずる)』、27歳独身の平凡な男子会社員で、都内の賃貸アパートで独り暮らしをしている。 会社は週休2日で土曜日日曜日が休みのため、金曜日の今日は残業せずに帰ろうと会社を出て電車で移動し、自宅の最寄り駅で下車して自宅近所の行きつけの古びた食堂で定食を食べながら生ビールを1杯いただいた。 少しほろ酔い気分で食堂を出てアパートに着いてから玄関の鍵を開けて中に入ると、いつもながら誰もいない真っ暗な寂しい部屋に入って明かりを点け鞄を置いて背広をハンガーにかけた。 今週は残業が多くて少し疲れていた僕は、着替えもせずにベットの上にうつぶせで寝転ぶといつの間にか眠り込んでしまった。 どのくらい眠ったのかわからないまま僕がふと目を覚ますと、時刻は21時を過ぎていた。 2時間程度眠ってしまったと思った僕は、少しのどが渇いて冷蔵庫を覗いてみると飲み物が何もなくて、近所のコンビニに買いに行こうとアパートを出た。 少し広い通りに出ると夜遅い時間だからか車が走っていなくて人が誰もいない、音のないとても静かな状態だった。 この通りは夜でも車が走っているイメージだが、この日は車が1台も走っていなかった。 コンビニの明かりが見えてきて中に入ると、レジに店員が誰もいなくて少し不思議に思ったけれど、僕は買い物かごを持って店内の飲み物が置いてある冷蔵庫でお茶のペットボトルと缶ビールを取って買い物かごに入れた。 少しビールのつまみが欲しくてナッツを買い物かごに入れてレジに行っても店員の姿は見えなかった。 「すみません」 僕がレジの前で声を出しても店員は現れなかった。 僕は少し待ってみたけれど、なかなか店員が現れることはなかった。 何かおかしいと思った僕は、買い物かごのナッツのお菓子を棚に戻して、お茶のペットボトルと缶ビールも冷蔵庫に戻し、買い物かごを玄関の置き場に戻してコンビニを出た。 通りに出ても車は1台も走っていなくて、人の姿も見えなかった。 僕は最寄り駅近くにある別のコンビニに行ってみようと、駅に向かって歩き始めた。 相変わらず辺りは静まり返っていて、いったい何が起こっているのか、少し不安な気持ちに襲われた。 駅近くのコンビニに到着してコンビニの中に入ると、レジに店員の姿は見えず、客も1人もいない状況だった。 僕はレジに行って、 「すみません」 と声を出しても店員が現れることはなかった。
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