青空基地

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鳥のさえずり 木々のざわめき 澄み渡る青空。 その光景一つ一つに目を向ける。 ふと、遠くに人影を見つける。 「どうなされました?」 何気ない気持ちで声を掛ける。 「なんでもないですよ、」 そう答えた人はどこか悲しい、儚い目をしていた。  その人は風の様に消えていった。 「あ、…」 別れ際に見えたその目を僕は、見たことがあった気がした。 目が覚める。 窓から暖かい光が差し込む。 眩しい。ズキッと頭が痛む。 「ゆ、ゆめ?」 「なんだ、夢か。」 はぁ、とため息を漏らす。 最近よく見る夢。 「あれ、ここは?」 気付かないうちにねてたみたいだ。何処までも続く草原に圧倒される。 辺りを見回す。 鳥のさえずり 木々のざわめき 「ここって…!」 遠くで海の音が聞こえる。 ひんやりする海風が頬を撫でる。 「わ、やっぱりここ…!」 そうだ、ここは夢で見てた…! 「あ、起きたんだ。」 「わ、誰!?」 「あはは、びっくりさせちゃったかな?」 「あ、いや別に…」 「あ、ここはどこなんですか?」 「あぁ、ここはね」 ー青空基地。
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