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「(この後のイケメンカフェでバックれないようにって)」
「……」
どうやってバックれようかと考えていた右京は、抵抗をやめて大人しくなり、黙り込んだ。
そして、相原と村田による右京の拘束は、自分たちの教室に戻るその瞬間まで続き――
ついに、イケメンカフェ店員としての務めを果たさなければならなくなった。
白色のワイシャツに黒色のスラックスを穿き、黒色の蝶ネクタイと、焦げ茶色のサロンエプロン(腰下だけを巻くエプロン)を着ければ、なんちゃってカフェ店員の完成だ。
着替え終えた右京たちを見たクラスの女子生徒たちは、
「ヤバい! 全くおんなじ服装なのに、村田と右京の差が露骨すぎる! ウケる!」
男二人を指差してゲラゲラと大爆笑。
「何か……感じ悪っ!」
村田は思い切り拗ねたが、
「どうでもいい。早く美紅とあちこち一緒に見て回りたい」
右京はうんざりした表情で大きな溜息をつく。
そして、意外にもカフェ店員の制服が似合っている相原だけが唯一、
「いつみくたんが来店してもいいように、しっかり準備しておかなくっちゃな!」
謎にやる気をみなぎらせていた。
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