嬉し恥ずかし文化祭

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こんなに見つけにくい場所で一人でいじけていた美紅を見つけてくれて、上着と優しい言葉をかけてくれて。 美紅にしか見せない笑顔で笑いかけてくれて、温かい腕でぎゅっと優しく抱き締めてくれて。 彼がどれだけ強く美紅を想ってくれているのかなんて、疑うまでもないのに。 不確かな未来に対して不安がるよりも、今、全力で美紅を愛してくれている右京に、美紅だって全力で向き合いたいと思えて。 「ごめん、右京くん。やっぱり、もう大丈夫」 強がりでも何でもなく心からそう思えて、美紅は気恥ずかしそうに微笑んだ。 「……え?」 「右京くんと会えたら、悲しいの全部なくなっちゃった。だから、もう平気」 えへへ、と微笑む美紅の目をじっと覗き込んだ右京は、 「はぁーっ。嫌われてたらどうしようかと思った……良かった」 ヘナヘナとへたり込むように、美紅の左肩に顎を乗せた。 「俺が美紅にあーんしてやりたかったのに、天野がやってたから本気でムカついたんだぞ」 「カフェでそんなことしたら、他のお客さんにもしなくちゃいけなくなるじゃん」 美紅が思わずムッとして、 「えっ? ヤキモチ焼いてくれてんの?」 何故か右京は嬉しそうに微笑み、 「可愛いなぁ、美紅は」 そしてまた美紅を自分のブレザーごとぎゅうっときつめに抱き締める。
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