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中庭に出店されている屋台で、美紅は持っていた食券を全て引き換えて、右京も事前に購入しておいた食券で『焼きそば』と『唐揚げ』を手に入れて。
二人で両手に食べ物を抱えて、先程美紅が一人で泣いていた非常階段へと戻ってきた。
そこに二人並んで座り、仲良く食べ進める。
美紅の肩にかけられていた右京のブレザーは彼へと返されて、今は2人ともブレザー姿で。
「右京くん、たこ焼き半分こする?」
「いいのか?」
「うん。はい、あーん」
美紅が、ふーふーと息を吹きかけて適度に冷ましたたこ焼きを、右京の口元へと運ぶ。
「!」
右京は一瞬だけ驚いたように目を見開いたが、次の瞬間には嬉しそうに微笑み、美紅に向かって口を開いた。
そうして右京がたこ焼きに食らいついた瞬間、
「えっ? 仲直り早くない!?」
美紅たちの後ろの扉から出てきた天野が驚いて声を上げ、
「いや、お前……今日に関してはお前が間宮さんにあーんしてやらなきゃダメだろ」
天野の隣で荷物(大量の食べ物)持ちをさせられている村田が、よろよろとふらつきながらも右京へと鋭いツッコミをかます。
右京はそんな二人を首だけで振り返りながら口の中のたこ焼きをはふはふと咀嚼して、
「……別に最初から喧嘩なんかしてないし」
ごくんと飲み込んでから、低めの声で反論した。
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