嬉し恥ずかし文化祭

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そんな賑やかな昼食を終えた四人は、今度はクラスごとの展示を見に行こうということになり…… 「やっぱりコレは外せないよね!」 天野が先頭を切って向かったのは、二年生のクラスがやっているおばけ屋敷。 「まぁ、二年がやってるヤツだしな。そんなに怖くはないだろ」 村田も割とリラックスした様子で頷いて、 「美紅はこういうのは平気なのか?」 おばけの存在を信じていない右京は、隣の美紅を心配そうに見る。 右京の記憶が正しければ――二人で映画を観に行った時、ホラー映画だけは絶対に嫌だと言っていたから。 「うん。全然へーきだよ」 しかし、美紅は即答。 しかも、台詞がいかにも棒読みっぽい。 「美紅……?」 明らかに様子のおかしい美紅の顔を、右京が覗き込もうとしても、 「へーき」 美紅はそれしか言わない。 そんなやり取りをしている間に、天野・村田カップルが先におばけ屋敷へと入っていき、 「うわーっ!」 「ぎゃーっ! 意外と凝ってる!」 怖そうながらも楽しそうな悲鳴を上げているのが聞こえてきた。 「……よし。行こ、右京くん」 完全に表情が消え失せて感情を読み取れない美紅が、右京の手を引く。 その手は少し汗ばんでいて、ひんやりとしていて……そして小刻みに震えていた。
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