余韻

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夕食の後、右京が一番風呂は美紅に、と頑として意見を変えなかったので、美紅はお言葉に甘えて先に入浴させてもらうことに。 普段は長風呂をする美紅ではあるが、待ってくれている彼に迷惑がかからないよう、なるべく急いで済ませた。 右京の入浴中に、リビングのソファーに座って化粧水などのスキンケアをする。 ……この後、右京と過ごす時間のことを考えて、いつもよりもずっとずっと念入りに。 今日泊まりに来るように誘ってくれたのは、つまりなのだと美紅は思っていたのだけれど…… いざ、眠ろうという段階になって、 「美紅は俺のベッド使ってくれていいからな」 右京は美紅をベッドに座らせ、自分は床に布団を敷こうとクローゼットの扉を開く。 「えっ? あの、待って、右京くん!」 ベッドから慌てて下りた美紅は、彼の背中に勢いよく抱き付いた。 「!」 「夏休みの時みたいに……一緒に寝ないの?」 勇気を出して質問した美紅に、 「……俺のベッドじゃ、狭いからな」 右京は前を向いたまま答える。 「……今日はもう、触れてくれないの?」 持てるだけの勇気を全て振り絞った美紅の質問に彼は、 「……今、物凄く我慢してるところだから、煽るようなことは言わないでくれ。本当に美紅のこと、襲いそうになる」 自分の腹部に回された美紅の手を掴んで引き剥がすと、一歩横に動いて美紅からそっと体を離した。
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