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「私は別に右京くんとそうなっても、襲われたなんて思ったりしないもん! 」
「……俺は本当に美紅のことを、純粋に心から愛してるだけなんだ。体目当てなんかじゃないのに……自分で自分が抑えられなくなりそうで、嫌になる」
右京は、はぁーっと大きな溜息を一つついてから、
「……やっぱり、今日はリビングで寝る」
クローゼットの扉を閉めて、部屋と廊下を隔てている扉の方へと体を向ける。
「待って、右京くん!」
随分と肌寒くなってきたこの季節に、ソファーなんかで眠れば風邪をひいてしまう。
彼をそんな目にあわせるわけにはいかない。
美紅は慌てて彼の右手を両手で掴んで引き止めた。
その美紅の必死さに、右京は何か勘違いでもしたのか、
「……美紅だけでも良かったら、イかせてあげるけど」
美紅の肩を両手でトンッと押して、ベッドへと押し倒した。
その上に、蒼い瞳を悲しそうに潤ませた右京が覆い被さってきて――
「……っ」
いつも通りの、右京による美紅への一方的な愛撫が始まった。
美紅の方から彼に手をのばそうとすれば、簡単に押さえ付けられて、更に焦らすような愛撫をされるだけ。
美紅の熱い吐息の漏れる声と、耳を覆いたくなるほどのいやらしい水音だけが室内に響き、
「……も、やだぁ……」
美紅は泣きそうな声を上げた。
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