余韻

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そんな美紅を見て、 「物凄く大切なはずなのに……結局、どっちに転んでも俺は、美紅を泣かせてしまうんだな」 彼女の涙を見ているのが辛くて、右京は思わず目を逸らす。 「右京くんも一緒じゃなきゃ、やだ……」 そして、そんな彼女の涙声で、 「……っ」 今まで保てていた右京の理性は簡単に崩れ去る。 「美紅……出来る限りゆっくり動くけど……辛かったら、ちゃんと言ってくれよ」 右京がパジャマ代わりに穿()いているジャージのポケットから、美紅も以前に見たことがある可愛いデザインの個包装を取り出した。 「あ……」 それは、いつか絶対に村田に返そうと思っていた個包装で。 心のどこかでは、やっぱり美紅とそうなりたいと考えていた右京は、それを今日はポケットにしまい込んでいたのだ。 恥ずかしそうに目を逸らす美紅の前で、右京は自らも服を脱ぎ捨て、 「美紅も……汚れるから、全部脱ごうか」 半裸の状態の彼女から、優しく服を剥ぎ取っていった。
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