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翌朝。
右京が目を覚ますと、
「すー……」
目の前には、可愛く愛しい美紅の寝顔。
昨日泣かせてしまった時は、本当にどうするのが正解なのかと悩みまくったが、
「……っ」
右京と交わって幸せそうに微笑む美紅を思い出し、体が震えるほどの幸福感で満たされる。
ついに、美紅の初めてをもらうことが出来たのだと改めて実感して――
「……美紅……」
宝物に触れるように、美紅を優しく抱き締め直した。
昨夜に感じた幸せの余韻が、今もまだはっきりと残っている。
本気で惚れた女の子とすることが、これほどまでに幸せすぎることだったなんて、知らなかったから。
このままずっと美紅の寝顔を眺めていたいところではあるが、
(朝メシ、作るか……)
今はよく眠っている美紅が、目が覚めた時にはお腹を空かせているかもしれないから。
右京は狭いベッドからそっと抜け出して、床に散らばったままの衣服を身に付ける。
美紅の服は、軽く畳んでベッドの足元に置いておくことにした。
彼女が風邪をひいてしまわないように、昨夜のうちに右京のスウェットのトップスだけは一応着せておいたから。
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