余韻

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そして、休日明けの登校日。 駅から学校に向かって歩いていく道中で、もうとっくに見慣れてしまったはずの長身男と小柄少女の後ろ姿を発見した天野は、 「……ん?」 不思議そうに首を傾げた。 なんとなく、雰囲気がいつもと違って見える。 声がかけづらいような気もするが、 「間宮ー、おはよー」 とりあえず、何も気付かないフリをして二人の背後から声をかけた。 すると、天野の声に気が付いた美紅が、後ろを振り返る。 「……っ!」 いつもの可愛さや可憐さはそのままに、そこへ更にプラスされた色っぽい雰囲気。 後ろを振り向くというその動作だけで、天野の心臓を鷲掴みにするだけの破壊力は十分にあった。 「天ちゃん! おはよ!」 美紅はいつも通り、嬉しそうに手を振って挨拶を返してくれたが、 (これは……ついに、右京先輩とヤッたな) 休日前までは確かに色気などなかった美紅を思い出して、そう直感する。 そして、美紅と一緒に後ろをちらりと振り返った右京はというと―― (……あぁ。やっぱり) 誰の目から見ても、機嫌が良さそうなのは明らかだった。
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