余韻

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「……!」 村田のその一言でピシッと固まる右京と、 「バイバイ。意外と楽しくていいヤツだったから、また来世で会えたら会おうね」 己の彼氏に今生の別れの挨拶をサラッと済ませる天野。 そして美紅はというと、 「えっ? 村田先輩、なんで……」 “なんで分かったの?”と言いかけて、でも言ってしまえば肯定したも同然になることに気が付き、途中で言葉を区切ったものの、顔は真っ赤であたふたと挙動不審。 そんな美紅の姿に、右京は密かにキュンとしつつ、 「……おい。美紅の前で変なことを言うな」 天然爆弾投下スイッチでもある親友を思い切り鋭く睨みつけた。 そうこうしているうちに、学校の校門が見えてきて、 「おーい、いっちー! 村田ー!」 他の生徒たちより一足先に登校して、学校の敷地の外側をグルグルと走っていた相原が、右京たちに気付いて駆け寄ってきた。 彼は学校指定の体操服であるジャージを着て、もう随分と肌寒い気温だというのに汗だくの状態。 首からかけたタオルで爽やかに汗を拭いながら、 「あっ! みくたん、おはよう! 何か今日は一段と美人で可愛いね!」 美紅の変化にすぐに気付きながらも、その理由には全く気付く様子のない純粋な相原は、美紅へと爽やかな笑顔を向ける。
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