余韻

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「あ、あの……おはようございます、相原先輩」 そして、初めて美紅からそう呼ばれた相原は、 「み、みくたんが、俺のこと呼んでくれた……!」 フラフラとよろめきながら数歩後ずさり、その場にしゃがみ込んだ。 「何というありがたき幸せ! もう、いつ死んでもいい……!」 純粋な男・相原は、震えながら喜びに打ちひしがれている。 そんな相原を見た右京は、 「……」 やはり美紅のことはもっと純粋な目で見ないといけないな、と…… 片想いに苦しんでいたあの頃の気持ちを忘れてはいけないな、と思い、右京のことを信じ身も心も全てを委ねてくれている美紅を、今まで以上に大切にしようと心に誓ったのだった。
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