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「な、何度でも……?」
美紅は顔を真っ赤に染め、蚊の鳴くような声で呟いたが、上を向いている右京にその表情は見えない。
「俺のこと、怖がられたら嫌だからずっと言わなかったけど……」
切なげで苦しげな声を出す右京は、
「我慢しすぎた結果がこれだなんて……ダサすぎだろ、俺」
なんだか泣いているように見えて。
「右京くんは、凄く格好いいよ」
「……」
「右京くんが私を凄く大切に想ってくれてるのは、十分すぎるくらいに伝わってるもん」
美紅が彼の背中にそっと触れて優しく摩ると、右京の体がびくっと強ばった。
「だから、その……右京くんにいっぱい求められたからって、大事にされてないなんて思わないよ」
「……美紅。その言い方はちょっとマズい」
右京のその言葉で、鼻血が止まらないのかと美紅は焦ったが、
「……今すぐ美紅を抱きたくなる」
鼻からティッシュの塊を外した右京は、もうすっかり出血が止まっていて――
ひょいっと軽々しくお姫様だっこをされて、ベッドの上に優しく寝かされる。
「右京くん……気分は大丈夫なの?」
「良くない。でも、美紅を抱けば良くなるかも」
そう言って甘く微笑みながら美紅の上に覆い被さる右京は、とても艶っぽく見えて。
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