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そして、『女子会』という名の尋問会――いや、報告会は、その週の休日に行われることになり――
いつものカフェに、私服姿の美紅と天野と川上が集まった。
席の配置も、前回と同じ。
「天ちゃん……バイトは?」
休日は確か、天野はいつも丸一日アルバイトを入れていたはず。
「この間、シフトを代わってくれって急に頼んできたメンバーがいて、今月の出勤日が私だけ一日多くてね。その調整を今日にしてもらったの」
「な、なるほど……」
美紅が納得したようにコクコクと頷くその隣で、
「ねぇねぇ! そんなことよりもさ、私のアドバイス実行した?」
川上が、美紅へとわくわくした視線を向ける。
美紅が、言われた通りに実行したこと、たったあれだけの行動で良かったのか不安だったことを正直に川上へと報告をして、
「うんうん、分かる分かる。あの作戦は、私やすみれちゃんがやっても全く効果がない、美紅ちゃんにしか成功し得ない方法だものね」
川上は一切気を悪くした様子は見せずに、満足そうに頷いた。
「市川くんは、美紅ちゃんが悩むまでもなく美紅ちゃんだけにメロメロなんだから、二人きりになる口実だけを用意すれば十分だもの」
要するに、自宅にさえ上げてもらえれば何でも良かったということで。
「市川くんの場合は、私の培ってきた技術を使うよりも、自然体の美紅ちゃんの方が絶対にグッと来るはずだから」
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