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「・・・いらっしゃい」 相変わらず空いているな・・・ 俺のマンションの1階は 中華料理屋になっている たいして旨くないのに 場所柄つい入ってしまう この中華料理屋は 無愛想な体格の良いオヤジが 1人で切り盛りしている 人間1人がすっぽり入ってしまうほど 大きな寸胴で作るスープが ウリらしいが、味は平凡だ カウンターに腰かけて ビールを頼んだ 「はいよ・・」 瓶ビールに 枝豆がついて 運ばれてきた グラスについで 仕事終わりの1杯を飲む かぁーたまんねぇ・・ 枝豆をつまみながら 店に備え付けのニュースを 何気なく見る 最近の連続子供誘拐事件の ニュースが流れている 3人の子供が何者かに誘拐され 行方不明だという まだ、犯人も捕まっていないらしい 俺の住んでいる地域に 近い場所での事件だ 普段、聞き流しているニュースでも 自分の馴染みのある地名等が 出てくると気になるものだ。 どうやら、標的は子供だけなので 独身で大人の俺が 襲われる心配はないだろう さて、ラーメンでも食べるか ・・・ん? 期間限定の特製ラーメン? こんなメニューが出来たのか・・・ 俺は早速注文をした。 数分待って 特製ラーメンが運ばれてきた いつもと違い 見た目が濃厚でドロドロしている。 一口食べた瞬間 スープのコクと深みが全体に広がった なんだこれ う、うまい・・・ いままで食べた どのラーメンにも似つかないが 衝撃的な旨さだった 思わずオヤジに、 「旨いよこれ」と 言ってしまったくらいだ オヤジは 無愛想に少し頭を下げるだけで 厨房に引っ込んでしまった。 俺は夢中でラーメンを食べ スープまで飲み干して 店を出た ふーうまかった。 明日の夜も食べに行くか 期間限定ということもあるので 期間が終わる前に食べておこう 満腹の俺は家に帰り 眠りについた。
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