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「先生! 溝乙女先生!」
溝乙女先生からの返事がない。
「ったく、コイツも俺を裏切りやがって」
山瀬川先生の唾を吐く音が聞こえた。
「さあ、次はどいつだ?」
ぎゃーとみんなは叫び声を上げて、目が開けられない中、手探りで教室の後ろに逃げた。
「扉! 開かない!」
誰かの声が聞こえた。
バン、バン、と大きな音が教室の扉のあるあたりから聞こえた。
誰かが目の見えない中でも必死に扉に体当たりしてくれているのだろうか。
「さあ、誰から行こうかなぁ」
ぎゃー、ぎゃーと悲鳴があちこちから聞こえてきた。
どうなっているんだ。
僕は、いやクラスメイト全員がパニックになっていた。
その時、
ガシャーン!
窓ガラスの割れる音が聞こえた。
「なにやってるんですか!」
と言う怒鳴り声とともに、窓の方から数人が走ってくる足音が聞こえた。
ぎゃー、グワーという山瀬川先生の唸り声が聞こえて、そして静かになった。
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