恋の最適解

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 メニューにルミちゃんの好きなロイヤルミルクティーがあって助かった。僕は小さなトングで角砂糖を取り出し、いつものようにルミちゃんのカップにその白い立方体を2つ沈めた。  ゆっくり12回かき混ぜて「どうぞ」と言うと、「ありがとう」と泣きそうなルミちゃんは一口飲んだ。おなかを温めればきっと少しは落ち着くはずだ。  ゆっくりと、ルミちゃんが一つ息を吐いた。それでもルミちゃんは言い淀んでいるので、先に僕からの報告を済ませることにした。 「ルミちゃんと同じ東京で、僕も内定が決まったんだ。だから卒業しても一緒にいられるよ」 「えっ、そうなんだ……お、おめでとう」  大学4年生のルミちゃんと、大学院2年の僕は就活の時期が同じだった。ルミちゃんの受けている企業を逐一確認しながら、僕も東京に的を絞り就職活動に励んだのだ。 「それで、ルミちゃんが話したいことってなにかな?」  僕の問いに、ピクッと身体を震わせたルミちゃんが、恐る恐るといった上目遣いで僕と目を合わせた。小動物のようなくりくりの目が潤んでこちらを見ている。  あまりの可愛さに視野を四角く切り取って脳内フォトアルバムに収めていたところで虚をつかれ、飛ばされた言葉の刃をまともに食らってしまった。 「あのね……。ごめんなさい。私、タッくんと別れたいの」
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